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藤原 緋沙子  「鳴き砂・隅田川御用帳十五」

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縁切り寺御用宿が舞台。

昔は女性から離縁出来なかったそうですね。

どうしても離縁したい女性は

縁切り寺に駆け込んだそうです。

寺に駆け込み2年間住み込んで、

夫と示談させるんだそうですね。

うまく示談が成立しない時は

2年後に寺法によって離縁が成立するのだそうです。

縁切り寺に駆け込むこともタダではなく、

持ち込んだお金の額によって

寺内での扱いが異なるとか。

地獄の沙汰も金次第と言うくらいですから、

どこでもお金が必要なんですねぇ。

今作はそんな駆け込んできた女性たちと夫の事件を絡んで

解決させる人情ものです。

女性の大変さが切ないです・・・



いつもありがとうございます
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藤原 緋紗子 「番神(ばんじん)の梅」

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桑名藩から飛び地・越後柏崎へ赴任してきた若い夫婦。二人を待っていたのは、厳しい陣屋の暮らし、海鳴り止まぬ過酷な環境だった。勘定や検見の仕事に忙殺される夫、渡部鉄之助。そして古着の着物さえ買う余裕のない妻、紀久。桑名に長男を残してきた夫婦は、故郷から持ち込んで番神堂に植えた梅の苗木に望郷の念を募らせていく。子を想いながら、日々を懸命に生きた女の一生が胸を衝く!

・・・・・・・・・・・・・・・・

感動と言うよりもあまりに過酷で切なすぎて

ホロホロと泣けました・・・

ジ~ンとした寂しく哀しい物語です・・・

史実を基に実際に存在した

幕末の下級武士家族をモデルにした物語だそうです。

・・・・・・・・・・・・・・

女性の視点から描かれた困窮する生活ぶりが

大変リアルに描かれています。

妻「紀久」の苦労は物質的な事もさることながら、

幼い長男を夫の実家に預けて

柏崎陣屋へ移り住まなければならなかった事で

毎日毎日長男を思っては胸を痛めます。

日々の長男の成長ぶりは義父と夫の手紙だけで知り、

何度も何度も読み返し励みにするんですねぇ。

長女で赤ん坊だった娘の世話や日々の苦しい暮らしぶりに

紀久はだんだんと体も心も弱って行きます。

・・・・・・・・・・・・・・

女性にとって古着一枚・下着一枚買えないと言うのは

大変な恥ずかしさと辛さがあります。

嫁入りの時に持参した外着1枚の他は

一年中、色あせた綻びのある古着で過ごす紀久。

自分より夫と子供達の為に我慢し続ける紀久に

そこだけ読んでも涙が込み上げます。

紀久は気丈に家族を支えますが

次男が生まれてまもなく疱瘡にかかり、

季節をまたいでの看病の日々は、

寝る時間もなく風呂にも入らず

髪をとかす事もせず、

自らの身だしなみも出来なくなり、

看病と暮らしの苦しさから

紀久はやせ細り起き上がれない程衰弱してしまいます。

・・・・・・・・・・・・

夫の鉄之助が大変真面目で誠実な人格なので

妻がほとんど起きられなくなった時期を

鉄之助は仕事に家事に看病にと全てやる所が

単なる亭主関白の時代の夫とは違う素晴らしい夫です。

・・・・・・・・・・・・・・・・

次男の病気が完治し、

紀久も起き上がれるようになると

弱い体ながら内職を続けます。

苦しい日々に耐えながら夫と子供達の為に

頑張る紀久。

・・・・・・・・・・・・

その後、次女「りん」が生まれます。

ところが「りん」は生まれてほどなく亡くなってしまいます。

紀久にのしかかる不運と苦労は果てがない・・・

紀久は身も心も押しつぶされてしまいます・・・

・・・・・・・・・・・・

桑名から柏崎へ赴任する時に持ち込んだ

梅の木を移植した紀久。

梅の花が咲いたら桑名藩の実家に戻れると願をかけ

毎年咲く事を願った紀久でしたが

梅の花は翌年も更に翌年も咲きませんでした・・・

・・・・・・・・・・・・・・

長男にも会えず、娘を亡くし、

日々の暮らしに苦労し続けた紀久。

・・・・・・・・・・

紀久の命がほとんど絶えようとしていた矢先・・・

夫である鉄之助が昇進し、家禄も加増される事を

言い渡されました。

鉄之助は急ぎ紀久の為に着物を用意させます。

梅の花が描かれた美しい着物を紀久に渡します・・・

・・・・・・・・・・・・

紀久にとっての梅の花とは希望であり

望郷であり自分の人生への

投映だったのではないでしょうか。

紀久は女性として最後の最後まで

凛として生きました。

女として妻として母として

紀久の命は梅の花のように美しかった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

紀久と夫の最後の場面・・・

ここからが感動と涙でした・・・

夫鉄之助への最後の言葉・・・

感謝の言葉で締めくくる紀久に、

読後手を合わせしみじみとしました・・・。

大変心に残る素晴らしい物語。

ぜひお読み頂きたい作品と思いました。。




いつもありがとうございます

藤原 緋紗子 「初霜・橋廻り同心平七郎控13」

初霜

親と子のとても切ないお話。

幼い頃に母親が亡くなり、

顔も覚えていないほどの仙治。

仙治は幼い頃から世間からの冷たい仕打ちを受け続け

荒れる暮らしをしてしまい、

あげくに盗賊達の片棒を担いでしまいます。

仙治の寂しく悲しい幼い子供時代が切ないです。

それでも自分の子供に「ちゃん」と呼んでもらいたい、

ただそれだけの為に仙治は汚い手先にならないよう闘います。

橋廻り同心平七郎達の活躍により盗賊達は捕まります。

平七郎達に協力した仙治の最良の引き際が描かれています。

よくある物語なんですが、こう言うお話しには弱いです…

時代小説だからこその切なさが良いですよ(^^)




いつもありがとうございます

藤原 緋紗子 「秘め事おたつ・細雨」

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金貸しを営むおたつ婆さんの人情奮闘物語二編。

「細雨」

「朝顔」

親と子、夫と妻、養父母と実の両親…

家族の縁と絆を描いています。

「朝顔」に登場する又吉(またきち)の

養父母に対するいじらしさにホロリとしました…

おたつ婆さんは、昔の素性を隠して

密かにある人物を探しています。

実は只者ではなかったおたつ婆さん。

そして誰を探しているのか?

第一弾のシリーズ物なので次回が待ち遠しいです。



いつもありがとうございます

藤原 緋紗子 「恋椿―橋廻り同心・平七郎控①」

ダウンロード

永代橋―桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。
一石橋―生きる希望を与えてくれた母子のために、
命をなげうつ男。
紀伊国橋―島送りになった夫のために春をひさぐ女。
元柳橋―仇と追われながらも、清冽な愛を貫く男と女…。
北町奉行所の橋廻り同心である立花平七郎と、
読売(瓦版)屋の女主人・おこうの
人情味あふれる活躍を描く書き下ろし時代小説。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

平七郎は妙の話を告げ、黙然としている格助の顔を窺った。
格助を挟むようにして、
三人は不動尊内に店を張る茶店の台に腰かけている。

その茶店が大きな桜の木の下にあるものだから、
葉の茂る桜の枝が風に揺れるたびに、
葉の影と木漏れ日が、
緊張した格助の顔に紋様をつくるのである。

雨上がりという事もあり陽射しは柔らかだが、
地に落ちる光は白く、
それは真夏の照りが、すぐそこまで来ていることの証だった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

物語は橋の見廻り同心と言う事で、

本来の仕事は事件解決ではなく、橋の不具合や故障などの見廻り。

仕事としては閑職扱いですが、

実際は平七郎の見廻りの最中に起こる事件を解決する物語となっています。

物語の流れも柔らかく、女性作家さんらしい品も感じました。

文章表現も素敵でまたまた好きな作家さん見っけ!(^^)



いつもありがとうございます

藤原 緋沙子 「百年桜」

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新兵衛はお店に押し込んだ賊の目を見て凍り付く。
故郷の桜の下、幼い友情を誓い合った日の記憶が浮かぶ(「百年桜」)。
訳あって家を出た母親を江戸でようやく探し当てた秀治に
老母は一両握らせたが……(「初雪」)。
部屋住みの悲哀を一身に纏い、継之進は国元を出奔した。
ただ一つの使命のために(「山の宿」)。
正直者には生きづらい江戸の片隅で、
善意と善意がすれ違う人情時代小説傑作五編。

・・・・・・・・・・・・・・・・
①百年桜で誓った二人の少年の友情と別れた人生。

②待ち焦がれた想い人との苦楽を選ぶ一歩。

③部屋住み次男の使命と儚い命。

④暮らしの為に身を売った母親への恩返し。

⑤敵討ちの暮らしで失った人生と再生。

友と友・男と女・親と子・夫と妻のほんのすれ違いから起こる切ない物語。

内に秘めておくだけでは思いは届かない。

失ってはじめて気づく大切なものとは・・・



いつもありがとうございます

藤原 緋沙子 「月凍てる 人情江戸彩時記」

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幼馴染みのおまつとの約束をたがえ
奉公先の婿となり主人に収まった吉兵衛は、
義母の苛烈な皮肉を浴びる日々だったが、
おまつが聖坂下で女郎に身を落としていると知り…
(「夜明けの雨」)。

兄を殺した仇を九段坂で張り込む又四郎に
国許より兄嫁自害の知らせがもたらされた(「月凍てる」)。

江戸の坂を舞台に人びとの哀歓を掬い取った
人情時代小説の傑作四編。

・・・・・・・・・・・・・・・

4つの男と女の人情時代小説。

苦界まで落ちた昔の女。

浮気相手の為に金を使われ離縁される女。

罪人となった夫を待っ女・・・

女だけ耐え忍ぶ描きかたで、

男の切なさも描いていますが、言い訳に聞こえます。

結局どの男も幸せにはしていない。

何とも寂しい光が見える物語。

解説には・・・

「全てを幸福にしようとしたら

それは文学ではなくただの絵空事になってしまう。」

と記されていました。




いつもありがとうございます
蝶が舞うリースの時計
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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