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宮本 輝 「命の器」

キャプチャ

どんな人と出会うかは その人の命の器次第なのだ。

私は最近、やっとこの人間世界に存在する

数ある法則の中のひとつに気づいた。

「出会い」とは、決して偶然ではないのだ。

でなければどうして、「出会い」が、

ひとりの人間の転機と成り得よう(本文より)。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

宮本輝さんのエッセイはお初読み。

小さい頃から大学そして社会人になってからの話。

一人っ子で存分に甘やかされて育ったという宮本さん。

お父さんの事業が失敗してどん底の貧乏を味わい

数年間を親戚に預けられた事。

お父さんの晩年は悲しいもので終わる。

宮本さんは若いころは飲む・遊ぶ・スポーツをする・・・

と活動的で大学の時はテニスクラブに入っていたそうですが、

同好会のような甘いものではなくハードな本格的なクラブ。

大学を卒業して就職はしたけど、

「不安神経症」というノイローゼ、

今でいうパニック障害とかうつ病となるのでしょうか、

その病気も発症した事と、

どうしても小説家になりたいと言う思いが強く

5年で退職して本格的に物書きになったそうです。

『泥の河』で太宰治賞。

『螢川』で芥川賞。

泥の河に関してはかなりご苦労されての執筆だっただけに

小説家としての原点となった作品とお見受けしました。

エッセイの中に犬好きの様子が描かれていたのですが、

昔の動物の飼い方でもあり、

大らかな育て方と哀しい看取りも胸を打ちました。

表題の「命の器」の章での名言とも言える言葉に

すっと胸の奥に入って心に留めておきたくなります。

「出会い」とは偶然ではなく「必然」

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自分という人間を徹底的に分析し、

自分の妻を、あるいは自分の友人を、

徹底的に分析してみるといい。

「出会い」が断じて偶然ではなかったことに

気づくだろう。(本文より)




いつもありがとうございます

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宮本 輝 「彗星物語」


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城田家にハンガリーからの留学生がやってきた。
総勢十三人と犬一匹。
ただでさえ騒動続きの大家族に、あらたな波瀾が巻きおこる。
異文化へのとまどい、肉親ゆえの愛憎。
泣き、笑い、時に激しく衝突しながら、
家族一人ひとりは、それぞれの生の新しい手がかりを得る。
そして別れ―。
人と人の絆とはなにかを問う長篇小説。


・・・・・・・・・・・・・・・

家族物語です。

和やかなホームドラマ系の物語とも言えますが、

政治や思想などの深い内容も含まれています。

まだソビエトがあった頃の物語なので、

ハンガリーという国が共産主義国家として縛られていた時代の青年が

日本へ留学しに来ます。期間は三年。

文化の違いから度々衝突もしますが、

お互いが思いやり腹を割って言いたい事を言い合う仲になる頃にお別れ。

ハンガリー青年のボヤージュは城田家の人々に視野を広げさせます。

家族一人一人がいろいろ抱える悩みや問題を

母親を中心に語られますが、

犬のフックがその度に吠えたり・オシッコを漏らしたり、逃げたり、

飛び掛かったりと家族にとってのキーパーソンになっています。

哀しい事も、嬉しい事も、楽しい事も、辛い事も・・・

全てフックは受け入れ家族一人一人と関わって行きます。

城田家にとってのフックは、誰よりも優しく慰めてくれる存在。

舅・夫・妻・長男・長女・次女・次男・夫の妹家族5人・ボラージュ・

そして犬のフック。

騒がしく物語は進みますが、最後の最後で、時が止まるような

静寂が訪れます。

ほろっと涙がこぼれる最後でした・・・。



いつもありがとうございます
蝶が舞うリースの時計
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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