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新美 南吉 「童話集」

新美南吉

「ごんいぎつね」「手袋を買いに」を含めた

絵本ではなく文庫本の童話集です。

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もの悲しいお話や

やさしく思いやり溢れるお話などなど・・・。

・・・・・・・・・・・・・・

とても短いお話ばかりなので

あっという間に読み終わりましたが

じ~んとする余韻で読了。

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「でんでんむしのかなしみ」

一匹のでんでん虫が自分の背中の殻には

かなしみがいっぱいつまっていると気が付きます。

自分はふしあわせで生きていけないとかなしみます。

おともだちのでんでん虫は

「あなたばかりではありません。

わたしの背中にもかなしみがいっぱいです」と言います。

ほかのおともだちにも聞きますが

みんな同じ事を言います。

「かなしみはだれでも持っているのだ。

わたしばかりではないのだ。

わたしは、わたしのかなしみをこらえて

いかなきゃならない」と気が付き

なげくのをやめたと言うお話です。





いつもありがとうございます
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浜田 廣介  「泣いた赤おに」

泣いたあかおに

いもとようこさんの挿絵が好きで選びました。

物語は悲しい結末になっています。

村人から恐れられ嫌われている鬼。

村人と仲良くなりたい赤鬼。

赤鬼のために青鬼が犠牲になります。

赤鬼は青鬼の犠牲のお陰で

村人と仲良くなり楽しい暮らしが

出来るようになります。

自分を助けてくれた青鬼は、

赤鬼の前から姿を消して

二度と会うことはありませんでした。

青鬼を失った赤鬼は悲しみ泣きます…

誰かの幸せの陰には

誰かの犠牲…

「お陰」があるという事でしょうかね。

浜田廣介さんのお父さんの生い立ちにも

かぶせている物語のようです。



いつもありがとうございます

浜田 廣介  「むくどりのゆめ」

むくどりのゆめ1

絵 : いもとようこ

母鳥が死んでしまったムクドリ父子の物語。

死んでしまったとは分からずにいる子供鳥の

母恋しさが切なく描かれています。

美しい自然描写と可愛らしい鳥の絵が

物語を鮮明に心に刻ませてくれます。

解説に、

「大人は感受性が鈍った上に諦めの術を知っているが、

子供は他の子供が備わっているいるものが、

自分に欠けている時、

それをそのまま不幸として

痛切に受け止める。」と書いてあります。

母恋しさに待ち続ける子供の思いが

夢の中で実現します。

一つの葉が風に揺れるかすれた音を

母鳥の声に聞こえる描写と

その一枚の葉を大切にする子供鳥が

ほろり切なくなります…

むくどりのゆめ2



いつもありがとうございます

松谷 みよ子 「かさじぞう」

かさじぞう1

絵 :黒井健

六人の子供を幼くして亡くしてしまった年寄り夫婦。

貧しい暮らしの中、

いかに昔は子供を育てることが困難であったか…

亡くした子供をお地蔵さんに見立て

親を思う子と子を思う親の姿を描いています。

黒井健さんの淡い色使いのふんわりとした絵が

表情まで優しく伝わります。


かさじぞう2




いつもありがとうございます

新美 南吉 「手ぶくろ買いに」

手ぶくろを買いに1

とても寒〜い北の国の母狐と子狐が

人間の住む町へ手ぶくろを買いに行きます。

母狐は子狐だけを買いに行かせます。

片方の手を人間の手に化けさせます。

決して間違わないように言いつけますが、

子狐はお店で自分の手を差し出してしまいます…

人間は狐に手ぶくろを売るのでしょうか…

解説に…

「新美南吉の生涯をかけて追求するテーマを

描いています。」との事。

テーマとは…

「生存所属を異にするものの魂の

流通共鳴」だそうです…

分かるような分からないような難しい言葉…

絵本で優しく新美南吉の思いを伝えています。

黒井健さんの絵が大変美しいです。


手ぶくろを買いに2




いつもありがとうございます

新美 南吉  「ごんぎつね」

ごんぎつね1

黒井健さんの作品を見たいと思うと、

この「ごんぎつね」を選びます。

言わずと知れた「ごんぎつね」。

新美南吉17歳の時の作品。

贖罪(しょくざい)の過程を

悲しい結末で描いています。

ごんも兵十も一人ぽっち。

理解し合えないままの悲しい結末を

「ごん、お前だったのか。

いつも栗をくれたのは…」

「ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、

うなずきました。」

と描く事で読み手に救いを与えています。

ごんと兵十の思いを悲しく描いた物語でした。

ごんぎつね2



いつもありがとうございます

林 明子 「こんとあき」 

こんとあき1

キツネのぬいぐるみの「こん」

あきが生まれた時からおもり役として

おばあちゃんの所からやって来た「こん」

あきが成長する事で「こん」は古びて来ました。

砂丘の町に住むおばあちゃんに

「こん」を直してもらおうと、

あきとこんは電車で向かう旅に出ます。

電車でも砂丘についてからも

大変な目に合う二人。

無事おばあちゃんの家に着き

「こん」を直してもらうまでのお話です。

かけがえのない存在のこんの為に

一生懸命なあきがとても可愛いです。

電車ではぐれて泣く場面。

駅弁を食べる場面。

砂丘でこんを探す場面。

おばあちゃんと三人でお風呂に入る場面。

おばあちゃんに「こん」を縫い直してもらう場面。

それぞれが愛情いっぱいの優しい物語。

こんとあき2




いつもありがとうございます

テリー・ケイ 「白い犬とワルツを」

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大人の童話ですね。

57年連れ添った妻コウラが亡くなります。

子供も孫も沢山居る81歳のサム。

娘たちはサムのこれからの事を考えてくれますが、

妻と暮らした家を出ようとはしません。

そんなある日、「白い犬」が現れます。

孤独で寂しい気持ちを、

白い犬に妻を重ね合わせるサム。

サムと白い犬は長い旅をします。

妻にプロポーズした懐かしい牧場では、

白い犬が喜んで走り回ります。

7年間白い犬と暮らします。

老人の命の終わりが近くなり、

白い犬と二人だけで過ごすことが出来なくなった時、

白い犬はどこかへ行ってしまい

二度と戻って来ませんでした。

老人が家族に言います。

「白い犬だがな。あれは、母さんだった。
今はお墓にいる。私を待っている。」

その後、間も無く老人は亡くなります。

お葬式が終わり、家族がお墓に行くと、

老人のお墓に、

小さな可愛い犬の足跡が散っていたそうです。

深い愛情と孤独を、

優しい絵を通して切なく伝わりる物語でした。




いつもありがとうございます

太田 大輔 「江戸のまち」

妖怪小僧が江戸の庶民の暮らしぶりを紹介してくれます。

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墨田川と両国橋
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堀のまち
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火事と火消し
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他には日本橋と魚河岸・長屋の正月・

江戸の大通り・お花見・月見・雪景色・

両国の花火・浅草の芸人などなど・・・

隅々まで江戸の人々の表情・動き・

家屋・季節の移り変わりを描いています。

江戸の賑わいと緻密な絵に見ていて飽きません。

建物の役割や仕事の説明も載っています。

ひと時、タイムスリップしているような楽しい絵本です。




いつもありがとうございます

山崎 杉夫  「黒猫ナイト」

無題
どこかで聞こえるギターの音色。

消えたギター弾きの謎を追え!

港の黒猫が大活躍!

絵本と言うかアート本です!

黒猫が住み慣れた港町の小さなBAR

「NEGRO」のギター弾きのおじいさんが、

ある日悪者にさらわれました。

この港町を支配したい闇の不動産の輩が、

邪魔な者を消そうとしているのです。

毎晩楽しみにしていたギターの音色が聴けなくなり

皆んな心配しています。

黒猫は、闇の不動産屋が、

お店を潰してビルを建てる企てをしているとの噂を聞きつけ、

ギター弾きのおじいさんを助けるために夜の町に飛び出します。

一緒に手伝ってくれる情報屋のジャックと黒猫の活躍が

おしゃれな絵で描かれています。

沢山のページの一ページ一ページじっくり眺める、

大人が見ても楽しめる絵本です。

オススメ度⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️5つ

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いつもありがとうございます

林 明子 「こんとあき」  

今日は美術館で「林明子展」を鑑賞して来ました。

美術館の出入り口。

緑に囲まれた環境に建っている美術館。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

子供の日でもありまして、

お子さん連れのご家族が沢山いらしてました。

原画作品に魅入ってまいりました。

記念に二冊作品を購入。

「こんとあき」

こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみです。

あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしましました。

あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家にでかけます。

あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、

何度も大変なめにあいます。

こんとあきは無事におばあちゃんの家にたどりつくことができるのでしょうか?

互いがかけがえのない存在であるこんとあきの冒険の物語。
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「ひよこさん」

ひよこさんがひとりでお出かけです。

だんだん暗くなってきて、星まで出てきました。

「くらくて もう あるけないよ」。

ひよこさんは、葉っぱを1枚かぶって眠ります。

ぐうぐうぐう。すると、だれかがやってきました。

「なんだか とっても あったかい」。

ひよこさんが目をさますと、「あれ、おかあさんだ」。

ひよこさんは、お母さんの羽に包まれていました。

ひよこさんとお母さんは一緒におうちに帰ります。
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「こんとあき」は大切なぬいぐるみのお話。

キャラクターの絵の表情としぐさが絶妙に可愛らしいです!


「ひよこさん」は色彩が優しく可愛らしく美しいです!


小さいお子さんだけでなく大人も癒される作品ですね。




いつもありがとうございます

湯本 香樹実 「くまとやまねこ」

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大人の絵本かもしれません。

いつも一緒にいた小鳥が死にました…。

ずっとずっと一緒にいられると思っていたくまは

深い悲しみの日々を過ごします。

小さな木の箱に小鳥を入れて

花を敷き詰め大切に持ち歩きます。

森の仲間は

「辛いだろうけど忘れなくちゃ」と言います。

かけがえのない小鳥を忘れる事は出来ません。

思い出すのは楽しかった小鳥との毎日の事。

当たり前の毎日が小鳥の死を通して

「今日の朝」がなくなってしまいました。

そんな悲しいくまが、

バイオリンを持ち歩くやまねこによって救われます。

やまねこはどんな風にして

くまを救ったのでしょうか…

作者の湯本香樹実さんの言葉・・・

「時間というものへの深い信頼と感謝の念が、
私にこの小さな物語を書かせてくれた」


酒井駒子さんのモノトーンの絵のタッチが

大変美しいです。



いつもありがとうございます

小川 未明 「赤い蠟燭と人魚」

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とても哀しいお話です。

人間の住んでいる町は美しく、

人情があり、優しいと思い込んでいた母親人魚が、

産まれたばかりの赤ん坊人魚を人間に託します。

ロウソク造りをしていた老夫婦に育てられた

少女人魚の描く蠟燭が

水難除けになると遠くまで評判になります。

そんな時、人魚を売ってほしいと

香具師が老夫婦に言葉巧みに近寄ります。

あんなに可愛がり優しかった老夫婦が、

少女人魚を売ってしまいます。

それから起こる事は、

人の欲望の結果引き起こした罰となります。

誰も少女人魚を思いやる事なく、

どんなにか孤独で寂しかったでしょう…

酒井駒子さんの絵が少女の想いを

美しく表現していて、

物語としても作品としても素敵な一冊と思いました。


いつもありがとうございます

穴澤賢(著作) 竹脇麻衣(イラスト) 「明日もいっしょにおきようね」

キャプチャ


寒い冬のある日、
保健所に収容された一匹の大きなオス猫。
ちょっと不機嫌そうな顔をしているけど、
おっとりした食いしん坊。
なんとかその猫の命を救おうと
思い悩むノリコさん。
しかしそのとき猫はすで に……。
捨て猫でかおを通じて、
平凡な毎日やいのちの大切さを
あらためて感じさせてくれる、
悲しくて、ぬくもりのある物語。
(アマゾン紹介文より)

・・・・・・・・
この物語は、

2009年に岐阜県内の保健所で

実際にあったお話です。

「でかお」と命名された顔の大きい

ちょい怖い顔だけどおっとり優しい猫と

保健所に通うボランティアのノリコさんが

出会い、殺処分の為に筋弛緩剤の注射を

二本も打たれ冷凍庫に入れられてしまう

「でかお」が「奇跡」を起こします。

・・・・・・・・

とても可愛く美しい色使いの絵です。

小さいお子さんにもページをめくりながら

動物を飼う事の愛情と責任を

分かりやすくお話できるのではないでしょうか。

お勧めの絵本です。



いつもありがとうございます

安西 水丸作品展   2017.5.20(土)

夏日のような暑さの本日。

風も爽やかで緑多い仙台文学館にて

イラストレーターで作家の「安西水丸」作品展を観覧して来ました。
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作品もさることながら文学館の雰囲気が癒される環境でした。
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気持ちの良い風と陽ざしでした。

こちらが本館なんですが、ちょっとシンプル過ぎ?

と思いきや・・・
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建物の中心部がこんなにステキ空間。
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低学年の小学生男子二人が網を持って遊んでいました。

ちゃんと水筒と帽子を持参して警備員のおじさんからの許可のもと

おじさんに見守られながら川遊びしていました(^^)


このシンプルさがむしろ趣を感じます。
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館内にはレストランもありピザが美味しいそうです(^^)
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この通路がワクワクさせます。

両脇の壁は重厚な和紙で出来ているようでしたよ。
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常設展では仙台ゆかりの作家さんの作品や原稿など紹介されていました。

井上ひさしさん・佐伯一麦さん・伊坂幸太郎さん・熊谷達也さん・

恩田陸さん・伊集院静さん・瀬名秀明さん・三浦明博さん・俵万智さん・・・

などが展示されていました。

食事はファミレスで。
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今日と明日は仙台では「青葉まつり」が開催されていまして、

中心部は多くの人で賑わったようです。

人酔いする場所を避けて鳥の声も聞こえる静かな空間で

のんびり癒された一日でした(^^)




いつもありがとうございます
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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