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三浦 しをん 「神去なあなあ 日常」

三浦 しをん

 「神去なあなあ 日常」

20190806.png

林業を通して成長する「平野勇気」君の物語です。

林業の描写が大変詳しく丁寧に描かれていて

三浦しをんさんの取材と勉強のご苦労が窺われました。

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今時の若者で高校卒業後も決まっていない勇気君。

人は良いけどピリっとせず暮らしぶりもダラダラ。

そんな息子の将来を心配した母親は先生と相談の上、

「緑の雇用制度」に申し込み、林業の地域への就業を決めます。

勇気君へ有無を言わせず、餞別3万円のみ渡して新幹線に押し込む母親と先生。

「一年間は帰ってこられないぞ。体に気をつけて、しっかりやれ」の

脅し文句のような励ましのような言葉と共に勇気はしぶしぶ

「神去村(かむさりむら)」へと向かいます。

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都会育ちの勇気が田舎の林業に携わる事で

自然の事・山の神様の事・森への整備の事・

生きて行く全ての基礎を自ら体験します。

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山に入る事は「人間が山にお邪魔する」と言います。

山の神様への畏敬の念を常に持ち、

無駄な殺生はせず、山を守り、育てる事で

神様から守ってもらえ生活が出来ている。

・・・・・・・・・・・・・・

コメディータッチの物語なのですが、

林業の大変さがしっかり描かれていて

勉強にもなりました。

・・・・・・・・・・・・・・

田舎の人間模様もそれなりに描かれていて

都会と田舎の違いが面倒な部分と

有難い部分と団結する良き部分も時に面白く描かれていました。

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映画化もされていて、

原作と少し違う雰囲気で描かれていましたが、

特に男性からの支持が多く観賞された映画だったそうです。

続編も出版されています。

「神去なあなあ 夜話」です。

三浦しをんさんの優しいユーモアが癒される作品でした(^^)



いつもありがとうございます

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三浦 しをん「政と源」

キャプチャ

東京都墨田区Y町。
つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。
原因は昔の不良仲間が足抜けすることを理由に強請られたためらしい。
それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。
弟子の徹平と賑やかに暮らす源。
妻子と別居しひとり寂しく暮らす国政。
ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。
そんなふたりが巻き起こすハチャメチャで痛快だけど、
どこか心温まる人情譚!

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6編の短篇となっているので物語を6つ楽しめます。

流れも良くちょいちょい笑います(^^)

後継者不足の職人の元へ20歳の徹平が弟子入りしますが、

元ヤンキーでもあり言葉使いも頭も幼い。

でもとても明るく優しく礼儀正しい。

職人気質の師匠である源こと「源二郎」が頑固であり

戦争を行き抜いた昭和の親父で

駆け落ちして結婚した妻に先立たれています。

幼なじみの「国政」は源とは性格も風体も真逆。

銀行勤めで実直で仕事一筋で生きてきた国政は

ある日突然妻に出て行かれ、

妻は娘一家と暮らすという別居生活になります。

源と政、そして弟子の徹平と恋人のマミの日々の暮らしを通して

生きること、人を思いやること、老齢から死に対する価値観が

活き活きと描かれています。

幼友達二人が喧嘩しながらもお互いを思いやり、

いざという時にすぐに動いてくれる関係がとても羨ましく感じました。

また描かれているY町は、荒川と隅田川に挟まれ、

江戸時代に造られた大小の運河が町じゅうに張りめぐらされ、

交通手段として源は今も小舟を使っているという

そんな風情のある生活の描写がとても和みます。

源と政の関係と平行して描かれているのが、

政と別居中の妻や娘一家との関係。

団塊世代の仕事一筋だった政にとって、

家庭内の事は妻に任せっきり。

妻と義父母との折り合いの悪さも他人事。

そんな夫に対して妻は自分を犠牲にしてきた結婚生活から

自分の事を考える暮らしにしたいと娘一家と穏やかに暮らします。

団塊世代の仕事一筋のお父さん達には共感できる政の思い。

そんな夫に対して結婚生活を自分の犠牲として生きてきた妻。

それも分かるわ~と思わせます。

決してお互いを嫌っているわけではなく静かな関係。

何とか戻って欲しいと思っている政は、

徹平とマミから仲人を頼まれた事をきっかけに

妻に「二人で仲人をしよう」と説得する為、

毎日はがきを書き送ります。

さりげない日々の暮らしぶりや、

妻への思いと今までの自分への猛省も伝えます。

いつしか妻への便りは政にとって日課となり活力にもなっていきます。

受け取った妻も仲人を引き受けますが、

だからと言って別居は解消しません。

これからどうなるのかは分かりませんが、

当たり前にそばにいるだろうと思っていた妻を

源も政も失って初めて「独り」に対して覚悟をします。

当たり前は奇跡であり大変な幸運なのだと思いました。

そんないろんな思いを感じ取れるおすすめの一冊です。


「死んだ人間が行くのは死後の世界なんかじゃなく、
親しいひとの記憶のなかなんじゃないかってことだ。
親父もおふくろもきょうだいも師匠もかみさんも、
みんな俺のなかに入ってきた。
たとえばおまえがさきに死んでも、
俺が死ぬまで、おまえは俺の記憶のなかにいるだろう」




いつもありがとうございます
蝶が舞うリースの時計
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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