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西條 奈加 「心淋し川(うらさびしがわ)」

西條奈加うらさびし川

江戸の片隅に「心町(うらまち)」と呼ばれる

古びた貧しい長屋がありました。

長屋の通りには

「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる

小さく淀んだ川が流れていますが、

流れるはずの川ではなく

どん詰まりのような淀み川です・・・

そこに住む住人達は、

この川のように

人生に行き詰まりもがいていました。

そんな環境でありながらも、

住人同志助け合い、

何とか環境に順応していました。

物語としましては、

短編となっていますが、

最後まで繋がります。

主人公と言うかキーパーソンである

長屋の差配の茂十が最後に登場します。

茂十がこの心町(うらまち)の長屋に来た目的は・・・

茂十の思いが行き詰った人生となるのか

これから先自分を許し人を許し

この心淋しい長屋住人と生きて行くのか・・・

住人それぞれの物語が切なくも強さを感じました。






いつもありがとうございます

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西條 奈加 「銀杏(ぎんなん)手ならい」

銀杏手ならい

子供が出来ないと言う理由だけ

3年目にして一方的に三行半を突きつけられ、

物のように戻された萌が、

両親から受け継いだ手習所での

子供達や家族の触れ合いと奮闘を描いています。

萌は捨て子でした。

両親が営んでいる手習い所の

大きな銀杏の木の下に捨てられていました。

両親は萌を我が子として

愛情深く人として女として凛とした人間へと育てます。

子供が出来ないからと

さっさと戻す婚家の冷ややかな人情は

時代として仕方がなかったとは言え、

萌だけの原因なのか?

と言いたかったでしょうに…

萌は父親から手習所の一切を任されます。

萌は当初は子供達との触れ合いがチグハグで舐められていました。

萌は子供達一人一人との触れ合いから成長していきます。

手習所に来れない苦しい暮らしの子供の元へ通っては

なんとか学びも暮らしも成り立つよう奮闘します。

大人が思っているよりも子供達は

自分の置かれている立場や環境、

そして将来を意識し自覚しています。

後押しして、それぞれが将来に明るさを持てるように

励まし行動する萌と周りの大人達が

大変好ましく描かれています。

学ぶことの大切さ。

読み書きが出来なかった事で

人格も否定され辛い人生を歩んで来た職人の元に

弟子入りする生徒の話はホロっとしました。

出来れば続きもあると良いなぁ。




いつもありがとうございます

西條 奈加 「はむはたる」

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大人に酷い目にあいながら生きて来た勝平たち孤児15人が、

大人顔負けの逞しさで

日々の暮らしで起こる小さな事件を解決して行きます。

汚い大人ばかりではなく、

勝平達に真っ当な暮らしをさせるべく

稲荷寿司の振り売りの手助けをする長谷部家やお吟さんや

周りの人々の優しさに

少しづつ心の傷を克服していく子供達がいじらしいやら、

可愛いやら、切ないやら…

シリーズ物なのでこれからも楽しみな物語です。

ちなみに「はむはたる」とは、

男を惑わせる女の外来語を

日本語に言いやすくした言葉だそうですが、

果たしてどんな「はむはたる」と子供達の関わりでありましょうか(^^)

ちょっと切ない物語です。



いつもありがとうございます
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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