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西條 奈加  「九十九藤(つづらふじ)」

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現代で言うところの人材派遣業

「口入屋」の女主人「お藤」の奮闘記。

・・・・

表紙の絵がとても美しくて目を惹きます。

・・・・

藤の花は見た目の美しさとは別に、

その蔦(つた)は丈夫でよくしなるが、

捕まると、がんじがらめになり、

蜘蛛の巣に捕まったように難儀するとの事。

・・・・

お藤の人生を例えている題名としています。

・・・・

そのお藤が九十九藤のからまりから脱却し、

自分の道を切り開き、

人材を育て派遣先に送り出す手法で成功します。

・・・・

「商いは人で決まる」

・・・・

信用・信頼・真面目で忍耐強くを

徹底的に叩き込む育てかたは、

現代でも教訓になる姿を教えてくれます。

・・・・

お藤の幼かった時に

助けてくれた侍との再会から、

ひと騒動が起こります。

・・・・

一致団結した

お藤を取り囲む仲間たちのキャラクターも

丁寧に描かれていて魅力的です。

・・・・

人を育てるって

教える側の覚悟と責任が大きく、

人を見極める目も重要。

・・・・

身に付いたしつけが

自分にとっての天職へと

つながるという事ですねぇ。

ストーリーの面白さよりも

随所に描かれた人材育成の部分が

心に響き印象に残りました。




いつもありがとうございます
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西條 奈加 「せき越えぬ」

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命がけの友情物語です。
・・・・・

苦難の多い関越えで、

上役より理不尽を味わった武一が

仲間の友と共に、上役を断罪します。

褒美として加増された上に、

上役の失脚の後釜として、

箱根関所の関守の役職につく武一。

関越えにはそれぞれ、切実な事情を抱えた

旅人がやって来ます。

理不尽を味わったからこそ、

親身に関越えを全うする武一。

ある日・・・

生涯の友である騎市から

関所を通らずに山越えする為の協力を頼まれます・・・

やってはいけない協力をする武一。

日本国への新しい扉を開けようと奔走する騎市と、

騎市の恩師の命がけの関越え。

恩師の元妻理世への思慕を

胸に秘める武一。

竹馬の友であり、

唯一無二の親友である騎市と、

二度と会えない覚悟で関越えをする武一の、

友への寂寥が切ないです。




いつもありがとうございます

西條 奈加 「ごんたくれ」

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ごんたくれ」とは、鼻つまみ者との意。

円山応挙や伊藤若冲なども出てきます。

円山応挙を尊敬し続ける弟子の彦太郎。

生涯孤高の絵師を貫く豊蔵。

実在した天才絵師2人をモデルにした数奇な物語。

子供と妻を亡くしてから、

絵師として本物になる彦太郎の最後が儚く悲しいです。

生涯の友であり、ライバルだった彦太郎を失ってからの、

豊蔵の本当の意味での自由な絵師ぶりが潔いです。




いつもありがとうございます

西條 奈加 「銀杏(ぎんなん)手ならい」

銀杏手ならい

子供が出来ないと言う理由だけ

3年目にして一方的に三行半を突きつけられ、

物のように戻された萌が、

両親から受け継いだ手習所での

子供達や家族の触れ合いと奮闘を描いています。

萌は捨て子でした。

両親が営んでいる手習い所の

大きな銀杏の木の下に捨てられていました。

両親は萌を我が子として

愛情深く人として女として凛とした人間へと育てます。

子供が出来ないからと

さっさと戻す婚家の冷ややかな人情は

時代として仕方がなかったとは言え、

萌だけの原因なのか?

と言いたかったでしょうに…

萌は父親から手習所の一切を任されます。

萌は当初は子供達との触れ合いがチグハグで舐められていました。

萌は子供達一人一人との触れ合いから成長していきます。

手習所に来れない苦しい暮らしの子供の元へ通っては

なんとか学びも暮らしも成り立つよう奮闘します。

大人が思っているよりも子供達は

自分の置かれている立場や環境、

そして将来を意識し自覚しています。

後押しして、それぞれが将来に明るさを持てるように

励まし行動する萌と周りの大人達が

大変好ましく描かれています。

学ぶことの大切さ。

読み書きが出来なかった事で

人格も否定され辛い人生を歩んで来た職人の元に

弟子入りする生徒の話はホロっとしました。

出来れば続きもあると良いなぁ。




いつもありがとうございます

西條 奈加 「鱗や繁盛記」

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まだあどけなさが残るお末の奉公先料理店での奮闘記。

お末が大変可愛らしいです。

素直で骨身をおしまず働きます。

純粋な目を通して世間や人の心の中に飛び込み、

時にご縁を結び、時に励まし、時に謎解きをします。

単なる繁盛物語にしないのが西條奈加さん。

サスペンスもあり物語の終盤に向かうにつれて

おぞましい人間模様も描かれています。

作中お料理が沢山出て来るのですが

高田郁さんの「みをつくし料理帖」とは違って

本格的板前料理の為、

実際自宅で試して作ってみようという料理はありません。

ですので少々お料理の味は伝わりにくいかな。

アンコウの出汁で作ったお雑煮だの

ウナギの茶碗蒸しだのって、分からないなぁ~。

どんなに美味しいんでしょうねぇ。

お末の少女から大人になる過程を

もう少し描いて欲しかったかな。

時がすっとび過ぎて最後は畳み込むような収まりかた。

続編にも期待したい作品でした。



いつもありがとうございます

西條 奈加 「大川契り・善人長屋」

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掏摸に騙りに美人局。

住人が全員悪党の「善人長屋」に紛れ込んだ

本当の善人・加助が、

またしても厄介事を持ち込んだ。

そのとばっちりで差配母娘は

盗人一味の人質に。

長屋の面々が裏稼業の技を尽して救出に動く中、

母は娘に大きな秘密を明かす。

若かりし頃、

自らの驕り高ぶった態度が招いた大きな罰のことを──。

流れゆく大川が静かに見つめた、

縺れた家族の行方を丹念に描く

人情時代小説。


・・・・・・・・・・

善人中の善人の「加助」が

困っている人を「お助けしたい」と

長屋につれてくるところから

話が始まります。

加助は、善人長屋の住人が

実は裏稼業持ちである事は知りません。

そんな厄介な加助によって

裏稼業の悪党達が解決するシリーズ。

面白いですヨ(^^)



いつもありがとうございます

西條 奈加  「まるまるの毬(いが)」

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親子三代で商う和菓子屋「南星屋」

女房を早くに亡くした治兵衛は、

出戻りの一人娘のお永と孫のお君の三人で

趣向を凝らしたお菓子作りをして日々穏やかに過ごして居ます。

タイムスリップしてぜひ行って見たいなぁと思わせます。

中盤から家族にとっての大きな出来事が起こり

孫のお君は悲しみます。

その悲しみを乗り越えたのは

治兵衛のお菓子作りでした。

そしてお君はおじいさんの菓子作りを継ぎたいと決心します。

治兵衛の周りの人々のキャラクターも素敵ですし、

眼に浮かぶ風景がほのぼのします。

辛いことや悲しい事も家族で乗り越えると言う

逞しくも優しい物語に読後感も爽やかになりました。

吉川英治文学新人賞受賞作品だそうです。



いつもありがとうございます
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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