西條 奈加 「わかれ縁(えにし)」

浮気・借金・妻を金蔓としか扱わない
最低の旦那とわかれる決心をした絵乃。
夫から離縁状を貰わないと
わかれられなかった時代。
妻からわかれたい時は
公事師に依頼するしかなかった。
現代で言うところの弁護士でしょうかねぇ。
調停役。
お金も時間もかかるから
絵乃はあきらめかけていたところを
公事宿の椋郎(むくろう)に助けられる。
夫との離縁費用を公事宿で働く。
自分も離縁する為に働いているけど、
公事宿に来る客の離縁の仕事もこなす。
夫富次郎のクズぶりと
登場するそれぞれの人物のキャラクターが
はっきりと個性的に描かれている。
公事宿の女将の桐が
7回も離縁再婚を繰り返した強者。
公事宿「狸穴屋(まみあなや)」の
メンバー一人一人が魅力的。
絵乃が生き別れした母親との再会と
母親の事情が終盤で大きな役割を果たし
読後感が優しい気持ちになりました。
また一つ好きな作品が増えました(^^)
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公事宿女将である桐の元亭主の事を
娘のお奈津が語るシーンに
クスッと笑っちゃいました(^^)
お奈津 「宮本武蔵に憧れて、剣を極めるために放浪の旅に出ちまったのよ。まったく呆れて物も言えやしないわ。」
母親桐 「お奈津の父親は、苦味走ったなかなかの男前でね。上に馬鹿がつくほどに生真面目な男だったよ。その一途なところに惚れちまったんだがね。」
お奈津 「一途も度を越しちゃ、はた迷惑だわよ。」
いつもありがとうございます

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