森沢 明夫 「エミリの小さな包丁」

信じていた恋人に騙され、
職業もお金も居場所さえも失った25歳のエミリ。
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藁にもすがる思いで10年以上連絡を取っていなかった
祖父の家へ転がり込む。
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心に傷を負ったエミリを
淡々と包丁を研ぎ、食事の仕度する祖父。
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一つ一つの料理を祖父と共に丁寧に作るエミリが
少しずつ変化し成長して行きます。
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田舎の港町を舞台にした
再生物語です。
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章ごとにお魚料理を描いています。
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祖父の大三は風鈴作り職人。
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祖母を亡くし一人暮らし。
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「小さな包丁」とは
何年も大切に研いで使い続けているので
小さくなってしまった包丁の事。
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その小さな包丁のお話が
祖父大三からのエミリに対する思い・・・
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風鈴作りについて大三が言います。
「火で熱せられ、水で冷まされ、
しかも金槌で叩かれる。
そんなつらい工程を経るからこそ、
完成した風鈴は見た目も音色も美しくなる」
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田舎の祖父の周りの人々の温かさと
大らかな生き方がエミリを成長させます。
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「鼻歌を歌うと世界は変えられないけど
気分は変えられる」
などなど、物語の中にメッセージが沢山あります。
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特にお若い世代の人には
感動できるバイブルのような優しい作品と思いました。
いつもありがとうございます

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