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小林 多喜二 「蟹工船」

蟹工船

オホーツク海で操業する蟹工船「博光丸」では、

会社が国策の名のもと暴利をむさぼる一方、

労働者たちが過酷な労働を強いられていた。

やがて、彼らは団結して闘争に立ち上がる。

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やっと読む気になりまして

電子書籍で読みました。

・・・・・・・・・・・・・

昔で言うところの百姓一揆のような集団行動の実践と結果。

主役になる一人がいるのかなと思いましたが

漁夫・雑夫・火夫・監督・船長・・・

などという特定人物ではない描き方が

この労働者の中の一人として読み手が

参加しているように感じました。

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どんな最低な労働環境もこれ程ではないのでは・・・

あまりに過酷で理不尽で

労働者の命を「物」扱いしている。

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共産主義とか資本主義とか

ワタクシには不勉強で理解出来ていない所が

多々ありますが、

労働組合なる組織作りのハシリになった

影響ある作品である事は理解出来ました。

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そして「ブロレタリア文学」と言う言葉も知りました。

「虐げられた労働者の直面する厳しい現実を描いたもの」との事。

プロレタリアと言う意味は「貧乏人の俗称」との事。

まさしく時代を描く事は作家小林多喜二さんの

人生そのものも描いていたのだなぁと痛感・・・

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現在の労働環境にしましても

忸怩たる思いで働いている人々も多いと思います。

しかし、その場のその立場になった人でなければ

同じ思いで行動は出来ません。

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今はすぐに辞める方向で自分を守っていけば良い。

昔の学生運動なる行動は今はありえない日本人。

環境改善の為の集団行動は、大きな犠牲を覚悟。

蟹工船の時代の人々は

実践し勝ち取ったのだと思います。

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冒頭の・・・

「おい地獄さ行ぐんだで!」が

物語の全てを語っている名文だと思いました。

・・・・・・・・・・・・

「マグロの刺身のような労働者の肉片が、

坑道の壁を幾重にも幾重にも丈夫にして行った。」

この文章が印象に残りました。






いつもありがとうございます
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小手鞠 るい 「望月青果店」

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母は私を許してくれたのだろうか?
夫の誠一郎、盲導犬の茶々とアメリカで暮らす鈴子。
岡山にある実家「望月青果店」には、もう5年戻っていない。
ふいに訪れた停電の夜。
故郷に置いてきた記憶がよみがえる。
捨ててきたはずの故郷と母、交わされた約束。
みずみずしくて甘酸っぱい、家族の物語。
(あらすじより)

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7つの章に分かれてそれぞれ果物の名前で

その時々の思い出を描いています。

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母と娘の反発から絆までを描いているのですが、

う~ん・・・

ワタクシ個人的にはイマイチ好きな描写では

ありませんでした。

・・・・・・・・・・・・

娘の進む道が上手く行きすぎ。

母と娘の関係性とそれぞれの思いを

もっと赤裸々に描いても良かったのではないかしら。

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娘の恋愛も描いているのですが、

臨場感や想いが伝わりませんでした。

登場人物を描き切れていないから

あまり魅力が伝わりませんでした・・・

・・・・・・・・・・・・

本自体の装丁の美しさや

短編のように章を設けたのは

手にとりやすいと思いました。






いつもありがとうございます


木皿 泉 「さざなみのよる」

さざなみのよる

小国ナスミ、享年43。
息をひきとった瞬間から、
彼女の言葉と存在は湖の波紋のように
家族や友人、知人へと広がっていく。
命のまばゆいきらめきを描く
感動と祝福の物語。
2019年本屋大賞ノミネート作
・・・・・・・・・・・

14個の章に分けて

小国ナスミの短い人生を

ナスミと関わりのあった人々を通して描いています。

・・・・・・・・・・・

特に生きる事・死ぬ事に対しての

思い入れや重き言葉が描かれていない所が

さりげなくてむしろじ~んとしました。

・・・・・・・・・・・

ネットの中古本を購入したのですが、

前の持ち主の跡がありました。

琴線に触れた部分に黄色の蛍光ペンで

線が引かれていました。

こういうの好きです。

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・・・・・・・・・・・・・・・

以前買った中古本には

前の持ち主さんの手作りしおりが挟まっていました。

本好きの人との繋ぎが感じられて

ほんわか癒されました。






いつもありがとうございます

金子 成人 「ごんげん長屋つれづれ帖」

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長屋の住人たちの日々の暮らしを

暖かく描いています。

4つのお話。

よくあるお話なので目新しい物語はありません。

こういうシリーズ物の場合は

個性的な設定や人物や事件などがないと

「またか・・・」と飽きられてしまうかと思います。

今作品の場合は個人的に、あまり面白みがなかったです。

金子さんはもっと事件物やハードボイルド系が

面白みがありワクワクさせると思いました。





いつもありがとうございます


金子 成人  「ごんげん長屋・つれづれ帖」

2020101703.png
質屋の番頭を務める「お勝」の世話焼き物語。

・・・・

伝法な言い方のお勝にちょっと違和感。

もう少し人情味のある言い方で表現したら

もっと親しみやすい物語になったように思います。

・・・・

シリーズ物になりそうですが、

お勝以外の人々のキャラが薄いからイマイチかなぁ。

・・・・

お勝の娘「琴ちゃん」が健気で可愛いです(^^)





いつもありがとうございます

加藤 元 「四百三十円の神様」

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親子の物語の短編集。

題名の四百三十円の神様が良かったです。

二流止まりの野球選手だった父親と息子。

結局両親が離婚しますが、

息子は父親と同じ野球をします。

大学で怪我に悩まされて
グダグタの日々を送る中、

バイトしていた牛丼屋で、

かつて父親と同じチームで活躍した

元野球選手に会います。

引退後は情けないほどの

ヤサグレ親父になっていましたが、

心の中まではヤサグレてはいませんでした。

そんな彼を見た息子は、

自分と父親にとってのヒーローを懐かしく感じ、

今の自分に照らし合わせて、

グダグダの生き方から

前向きに変わろうと言うお話です。




いつもありがとうございます

河合 隼雄 「泣き虫ハァちゃん」

2020051001.png

河合さんの幼少期を描いています。

感受性豊かで泣き虫ですが、

その一つ一つの泣く理由が

とても可愛らしくじ~んとします。

・・・・・

二才で亡くなった弟。

あまりの悲しさに

毎日お仏壇の前で泣くお母さん。

その時にずっとそばで

一緒に泣いていたハァちゃん。

以来ハァちゃんは、

感動したり可哀想だったり

悔しかったりすると泣いてしまいます。

・・・・・

お母さんは

「男の子だって泣きたい時には泣いたら良い。」

と言います。

厳格でも包容力のあるお父さんと

優しく見守るお母さん。

・・・・・

6人兄弟で

明るくたくましく育つハァちゃんの物語。

・・・・・

ところどころに描かれている挿絵が

とても素敵です。

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童話のような語り口なので

小学低学年から読めます。

優しい気持ちになるお話でした。






いつもありがとうございます

小手鞠 るい  「望月青果店」

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母と娘のすれ違いと再生の物語。

表紙の絵が美しい。





いつもありがとうございます

京極 夏彦  「オジいサン」

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70歳の徳一さんの「老人」を意識した物語。

屁理屈やらこだわりやらの語りが面白い❗️





いつもありがとうございます

金子 成人 「追われもの1~4巻」

2020032401.png

博打の罪で八丈島遠島になった「丹次」。

勘当された実家の

乾物屋「武蔵屋」が没落した原因を知り、

命がけの島抜けをする。

兄嫁により潰された実家。

両親は首を吊り、

眼の見えなくなっていた兄の佐一郎は行方不明…

たった一人江戸に戻った丹次の奔走。

登場人物一人一人がしっかり描かれています。

ほんの少しの糸くずが太い紐になる流れが

スリリングで飽きません。

4巻で完了ですが、

ラストの描き方が秀逸です。

一気に読了!

面白かったです!




いつもありがとうございます

梶井基次郎(かじい もとじろう)  「檸檬(れもん)」

2019022001.jpg

31歳で早世した梶井さんの小説。

短い物語です。

レモンと言ったら

今や米津 玄師さんを思い浮かべるかと思いますが、

こちらの梶井さんの「檸檬」も

文学小説として

学生時代に授業でも取り上げられる程の名作ですよね。

まずこの本を手に取った理由は

「丸善」150周年記念限定復刻カバーだったから。

この「檸檬」には京都の丸善が登場します。

心身共に衰弱している「私」が街を徘徊するのですが、

表通りの明るい街並みより、

裏通りのすたれ気味の街角に魅力を感じます。

歩きながらのその描写が

大変繊細で日本語の美しさに溢れています。

暗い表現がほとんどなのですが、

唯一「私」が手に取った「檸檬」の鮮やかさが

読み手に「パシッ!」と突き刺さる程。

また檸檬の色や味よりも

「檸檬の重み」に魅力を感じ、

手から伝わる重みと冷たさに

ひと時安らぎを感じる「私」。

丸善書店の中に檸檬を持って入り、

芸術本を積み上げた上に檸檬を置いて

店を立ち去るまでの「私」の思いが、

不思議な感動を与えてくれます。

戦前の丸善は書店としてだけではなく、

ハイカラな西洋の品々や

芸術本を沢山置いていたそうです。

舞台となった京都の丸善書店では、

当時芸術書にレモンを置く人が続出したそうです(^^)



いつもありがとうございます

金子 雅子 「お兄ちゃんが守ってあげるから」

無題

地域猫として生きる野良猫たちの物語です。

お兄ちゃん黒猫と白子猫なのですが、

本当の兄弟ではなく、

母猫に一晩置いてけぼりにされた白子猫と出会い

「この子をぼくが守る」と決意しお兄ちゃんとなります。

実はもうじき亡くなる白子猫の母猫。

誰かに子猫を託したくて一晩中探していました。

黒猫が「大丈夫、ぼくが子猫を守るから」

と母猫に言ってくれた事に安心し、

弱り切って命が消えそうな母猫は

姿を消してしまいます。

お兄ちゃん黒猫は白子猫に

地域猫として生きて行く術を教えます。

人間の玄関周りでオシッコやウンチをしてはいけない。

ゴミ集積所のゴミを漁ってはいけない。

どこで餌をもらえるか。

どこで雨や寒さをしのぐか。

獲物の捕らえ方ややさしい人間の見分け方などなど・・・

逞しく仲良く楽しく過ごしていた二匹でしたが、

かなしいお別れも経験します・・・。

本の中には絵が描かれていないので

表紙の絵で想像しながら読みました。

小学生向けの優しい本です。



いつもありがとうございます

ガブリエルバンサン「アンジュール・ある犬の物語」

ダウンロード

疾走する車から突然、捨てられる1匹の犬。

犬は車に戻ろうと無我夢中で走る。

見失っても、車を求めて野原を海辺をさまよい歩き続ける。

1匹の犬におきた長い1日を卓越したデッサンで描いた感動の絵本。


最後は救われる物語なので悲しいだけではないけど、

切な過ぎます・・・



いつもありがとうございます

川瀬 巴水(はすい) 「川瀬巴水作品集」


川瀬巴水作品集川瀬巴水作品集
(2013/03/29)
川瀬 巴水、清水 久男 他

商品詳細を見る



生誕130年を記念して、大正~昭和の風景版画の第一人者であり

「旅情詩人」「昭和の広重」と呼ばれる川瀬巴水の約40年にわたる画業を紹介しています。

アップル創設者の故スティーブン・ジョブスは、大の川瀬ファンで、

30点以上もの作品を所蔵しているそうです。

雨・雪・寺・後姿・・・が特徴の版画家です。

大変素晴らしくて、

ページをめくる時は手を清めてからめくっています(笑)

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胃がんで腹痛と不眠で苦しみながらも描いた最後の作品。

「平泉金色堂」

巴水は完成作を観ることなく亡くなりました。



いつもありがとうございます。
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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