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麻宮 好 「月のうらがわ」

月のうらがわ

亡くなった人は、「月のうらがわ」に行けるの?

会えるの?

会えたら言いたい事がある・・・

「ごめんね」

「自分が幸せになっていいの・・・?」

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締め付けられる子たちへの想いが、

小さな子どもの胸にずっと罪として

抱え続けていた物語。

・・・・・・・・・・・・

周りの子供たちや親たちへの言葉や

想いや情景描写が丁寧に綴られています。

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「亡き人を思い出すこと。

亡き人を慈しむこと。

それも、わたしたちが

亡き人に会いにいくということだ。」

・・・・・・・・・・・

「月のうらがわ」は遺書ではなく、

生きるための物語になるはずだった。」

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まだ2歳の息子の死と自害した妻・・・

受け入れ、前向きにならずにいた2年の坂崎・・・

その坂崎が長屋暮らしを始めてから

多くの人たちに教えてくれた・・・

己だけの悲しみではなかった・・・

両親で首つる自殺した幼い娘の「おはる」・・・

病気で亡くなった幼い姉弟「正太」と「お綾」・・・

近所の仲間たちも・・・

それぞれが抱えた悲しみと罪を感じていた・・・

その幼い子たちの姿を教えてくれた・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

「亡き人と共に生きるには、ここじゃ駄目だ。

夜になったら黒々と迫ったくるような山。

春には優しく笑い、

夏には青葉が滴り落ちるような山。

秋は錦をまとい、

冬は雪と一緒にしんと眠る山。

そんな山が近くになくては駄目だ。

山は人々にとって祈りであり、

生きる糧でもある。

山に人は生かされているんだ。

そんな山を仰いで己は生きていきたいと、

坂崎の目は語っていた。

口には出さずに。

でも、切実に願っていた。

いつまでも、

頭を垂れていたら駄目になんだ。」

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久しぶりに一ページ一ページ

丁寧に読む事が出来ました。

物語への心の芯の言葉が

美しくて感動しました。

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いつもありがとうございます
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プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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