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吉橋 通夫 「なまくら」

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江戸から明治へ――。
変わりゆく時代の節目、
華やかな京の路地裏にたたずむ、
7人の少年たち。

明日への迷いを抱えつつも、
“生きる”ために必死でもがく、
彼らの熱い青春を描いた珠玉の短編集。

第43回野間児童文芸賞 受賞

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幕末から明治の京の周辺、
若いというには、あまりにも年少の者たちの、
汗して働き、行く道に迷う懸命の日々を描いた
珠玉の時代小説短編集。

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灰を集めて歩き、灰問屋へ売る仕事。

新鮮な魚を誰よりも早く届ける仕事。

砥石運びをする仕事。

舟で荷運びをする仕事。

車引きをする仕事。

古着の行商をする仕事。

レンガ製造をする仕事。

それぞれの少年7人の物語。

まだ14・5歳の少年達が大人と同じ仕事をします。

病気の親を持つ少年。

幼い弟妹や・母と二人きりの暮らしの少年。

家庭をないがしろにする父親の変わりに

暮らしを支える少年。

どん底の貧しさから逃れる事は出来ない。

自分が働かなければ食べて行けない。

まだ一人前になり切れない少年達は、

身の不幸や苦しさの現実を受け止めます。

時には逃げ出す者・・・・

時には犯罪の片棒を担ぐ者・・・

武家の身分から落ちてしまった者・・・

それぞれが苦しみ悩み立ち上がり、

前に進み大人へ成長する物語。

子供は大人が思うよりも強くて頼りになる。

それでも支えて見守ってくれる人が

そばにいるからこその頑張り。

甘える事も出来ず、ぎりぎりの暮らしの中で

ふと周りを見ると助けてくれる大人たちがいます。

子供の成長は見守り助けてくれる大人がいるかどうかで

成長の度合いが違う。

苦しい環境でも自分の仕事を通して教えられる事への

感謝をするそれぞれの少年達に感動しました。





いつもありがとうございます
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山本 甲士 「ALWAYS 三丁目の夕日」







傘をなくして町内中を探し回る和広君の章が好き。

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和広の家には傘が一本しかない。

黒い綿の洋傘で、何度も修繕してあるせいで、

つぎはぎや違う色の縫い目がある。

お母ちゃんによると、ナイロンの洋傘一本を買うおカネがあったら、

コメを七升ぐらい買えるらしい。

洋傘はそれぐらい高い、簡単には買えないものだ・・・


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映画でこの和広君の傘のシーンがないのが残念・・・

お給料は安いが一生懸命働いてくれるお父さんが大好きな和広君。

大事な傘を学校帰りにどこかに忘れて来てしまい、

町内中を探し歩く。

途中、和広君と同じ傘を持っていた上級生を盗んだと誤解してケンカしたり・・・

結局傘は見つからなかった・・・

和広君は、お父さんを迎えに駅まで行き泣き出してしまう。

事情を知ったお父さんは、近くの傘屋さんへ連れて行き、

新しい傘を3本買ってくれる。

「そろそろみんなの分の傘を買うつもりだったんだ。くたびれてたからな。」

と言って笑った。

ちょっと無理した笑顔だったが・・・

和広君は心の中で言った。

おとうちゃんごめんなさい。

おとうちゃんありがとう。



プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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