吉橋 通夫 「なまくら」 (再読)

幕末から明治の京都の周辺、若いというには、あまりにも年少の者たちの、汗して働き、懸命に生きる物語7篇。
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少年達一人一人の過酷な労働に可哀想とは違う感想が浮かぶ。
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確かに家庭環境が悲惨過ぎて生きて行く為の過酷な仕事は、少年一人一人が望んでいる仕事と言えないかもしれない。
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それでも家族の為必死に大人顔負けの仕事に懸命になる少年たち。
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その仕事に対する姿勢を周りの大人が見守り励まします。
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この物語は少年達の辛さばかりを描いてはいない。
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強さと生きようとする前向きさを強く描いています。
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どんなに泣いても稼がなければ食っていけない。
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子供らしい遊びや甘えはいっさいないが、それでも大人になった頃には、同じ年齢の者たちより逞しく優しく育っていると実感。
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物語の解説で、あさのあつこさんが言っております。
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「七人の少年たちは、みんなかっこいい。ため息がでるくらい、惚れ惚れと心が微熱を持つぐらいかっこいい。」
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