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渡辺 淳子  「星空病院 キッチン花」

20200601キッチン花

4つの短編集。

星空病院別館で名誉院長が

患者や客をもてなす食堂「キッチン花」があります。

患者に振り回されて疲労困憊の看護師や

認知症で入院中の妻などなど…

悲しさ、不安、辛さを

キッチン花の温かい料理で

それぞれの人をいたわり再生へと向かわせるお話。

ありえない設定で、漫画チック。

感動と言うより、結末ありきのお話は、

良くあるパターン。

文章表現も普通かな…

優しい物語なので

読後感はほわっとなりました(^^)




いつもありがとうございます
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行成 薫  「本日のメニューは。」

2020051301.png

料理を通して人を幸せにする5つのお話。

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行成薫さんは、仙台市の作家さん。

東北学院大学教養学科卒だそうです。

現在41歳。

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物語の一つ一つが感動します。

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「四分間出前大作戦」

小さな兄弟が入院中のお父さんの為に

ラーメン屋さんから4分間で運ぶお話。

到底出来ない速さを

周りの大人たちの連携で達成出来ます。

お父さんの喜ぶ姿と

その後の切なさがじんわりします…

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「おむすびラプソディ」

インスタ映えばかりを気にして

不味い料理しか作らない母親との葛藤を描いています。

たかがおむすび、されどおむすび。

母娘の再生の優しい物語です。

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「闘え!マンプク食堂」

若くして病気で亡くなった息子が

死ぬ間際に言った言葉「腹、減った…」。

元気だった頃のいつものセリフ…

以来父親は自分の店で

満腹になるまで食べさせるメニューを作り続けます。

そんなある日、

来店した大食いの冴えない青年との交流から

一世一代のメニューを考え出します。

息子に味わわせたかったマンプクを

冴えない青年に賭ける心意気がホロリ笑えるお話。

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「或る洋食屋の一日」

50年も続けた小さな洋食店の

閉店に伴う夫婦の在り方と、

デミグラスソースを継ぎ足し続けた店主の料理に対する

「人を幸せにする」お話は、これで終わり?

と少し残念に思って読んだら、

次の最後の物語「ロコモーション」に繋がって、

とっても素敵な行方となっていました(^^)

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お料理を食べること、

作ることの幸せを

じんわり、ほんわか感じる

とても癒される作品でした(^^)




いつもありがとうございます

矢崎 存美(やざき あるみ)   「ぶたぶたのシェアハウス」

キャプチャ

心が渋滞した「わけあり」の人が住む

「シェアハウス&キッチンY」。

管理人「ぶたぶたさん」の

心優しい活躍の物語です。

・・・・・・・

5つの短編になっています。

・・・・・・・

「依存先を分散させるのが本当の自立だ」

・・・・・・・

「生きてるだけなのに、

人は自分も周りも汚して行く。

善美は、宗昭がこのまま変わらないと思ったから、

離婚を切り出したのだろう。

残り少ない人生を、

人の後片付けだけで終わらせたくない・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・

ぶたぶたさんのご近所に可愛がられている

地域猫さんも登場し、

両親と愛猫を相次いで亡くして

一人ぽっちになってしまった女性に

ご縁と力を与えます。





いつもありがとうございます

吉橋 通夫 「なまくら」

ダウンロード

江戸から明治へ――。
変わりゆく時代の節目、
華やかな京の路地裏にたたずむ、
7人の少年たち。

明日への迷いを抱えつつも、
“生きる”ために必死でもがく、
彼らの熱い青春を描いた珠玉の短編集。

第43回野間児童文芸賞 受賞

・・・・・・・・・・・・

幕末から明治の京の周辺、
若いというには、あまりにも年少の者たちの、
汗して働き、行く道に迷う懸命の日々を描いた
珠玉の時代小説短編集。

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灰を集めて歩き、灰問屋へ売る仕事。

新鮮な魚を誰よりも早く届ける仕事。

砥石運びをする仕事。

舟で荷運びをする仕事。

車引きをする仕事。

古着の行商をする仕事。

レンガ製造をする仕事。

それぞれの少年7人の物語。

まだ14・5歳の少年達が大人と同じ仕事をします。

病気の親を持つ少年。

幼い弟妹や・母と二人きりの暮らしの少年。

家庭をないがしろにする父親の変わりに

暮らしを支える少年。

どん底の貧しさから逃れる事は出来ない。

自分が働かなければ食べて行けない。

まだ一人前になり切れない少年達は、

身の不幸や苦しさの現実を受け止めます。

時には逃げ出す者・・・・

時には犯罪の片棒を担ぐ者・・・

武家の身分から落ちてしまった者・・・

それぞれが苦しみ悩み立ち上がり、

前に進み大人へ成長する物語。

子供は大人が思うよりも強くて頼りになる。

それでも支えて見守ってくれる人が

そばにいるからこその頑張り。

甘える事も出来ず、ぎりぎりの暮らしの中で

ふと周りを見ると助けてくれる大人たちがいます。

子供の成長は見守り助けてくれる大人がいるかどうかで

成長の度合いが違う。

苦しい環境でも自分の仕事を通して教えられる事への

感謝をするそれぞれの少年達に感動しました。





いつもありがとうございます

吉川 英明 「失われた空 日本人の涙と心の名作8選」


失われた空: 日本人の涙と心の名作8選 (新潮文庫)失われた空: 日本人の涙と心の名作8選 (新潮文庫)
(2014/09/27)
吉川 英明

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小説はきっと、最後の砦かもしれない――
浅田次郎、立原正秋、藤沢周平、宮尾登美子、
宮部みゆき、山本周五郎、吉川英治、吉村昭。
優しい涙や人のなさけの輝きがここに。
当代一の本読みが選び抜いた珠玉だけのアンソロジー。

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1.浅田次郎 「五郎冶殿御始末」

 五郎冶は始末屋であった。藩の始末をし、家の始末をし、
最も苦慮したわしの始末もどうにか果たし、
ついにはこのうえ望むべくもない形で、
おのれの身の始末もした。
男の始末とは、そういうものでなければならぬ。
けっして逃げず、後戻りせず、能う(あとう)限りの最前の方法で、
すべての始末をつけねばらなぬ。

 
2.山本周五郎 「不断草」

 もしや良人(おっと)はこんどの事件の起こることを知り、
その結果を知っているために、
そして妻にその累を及ぼしたくないために離縁したのではないだろうか、
そう考えると思い当たることが多い。
そうだ、それに違いない、菊枝はそう思うとともに、
自分は登野村を出るべきではなかったと気づいた。


3.宮部みゆき 「庄助の夜着(よぎ)」

 庄助は、おゆうが嫁いでゆくのを知っていた。
そのことを、五郎兵衛とおたかが心から喜んでいたことも知っていた。
おゆうがその縁組を幸せに思っていることも知っていた。
だが・・・もしも彼が、おゆうを想っていたとしたらどうだ。
口には出すまい。死んでも言うまい。そんなことを言ったら、
五郎兵衛やおたかがどれほど困るか、彼はよく知っていた。
おゆうを困らせることになるということも、誰よりもよく知っていたろう。



4.藤沢周平 「吹く風は秋」

 日が立ち上がり、江戸の町に鋭く突きささってきたころ、
弥平は猿江橋を渡っていた。
川風が旅仕度の合羽の裾をはためかせた。
胸の中まで吹きこんで来るひややかな秋風だった。
風の中に、明るい笑い声も聞いたような気がした。
おさよの声のようでもあったが、
死んだ女房の声のようでもあった。
無心な笑い声だった。
そうさ、そうでなくちゃいけねえ、と弥平は思った。
もう、これっきり江戸にはもどれねえかも知れねえな。
弥平はそう思いながら、足をはやめた。
少しまぶしすぎるほどの日が、
弥平がいそぐ小名木川通りの真向かいにかがやいていた。


5.吉川英治 「べんがら炬燵(こたつ)」
6.宮尾登美子 「自害」


7.吉村昭 「飛行機雲」

 医科大学の付属病院を出て、
ゆるい勾配の坂をくだりはじめた私は、
信玄袋を手にした和服の男が、
陽光を掌でさえぎるように空を見上げているのに気づいた。
男につられて空に眼をむけた私は、
澄んだ空に飛行機雲が長々と尾をひいているのを見た。
先端にギヤマンのように透けた大型機が動き、
翼の下から四条の白い筋が湧き、
それが互いにとけ合って太い一条の筋になり、
後方にゆくにつれて乱れ、
淡く拡散している。


8.立原正秋 「流鏑馬(やぶさめ)

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いつもありがとうございます

山本 甲士 「ALWAYS 三丁目の夕日」







傘をなくして町内中を探し回る和広君の章が好き。

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和広の家には傘が一本しかない。

黒い綿の洋傘で、何度も修繕してあるせいで、

つぎはぎや違う色の縫い目がある。

お母ちゃんによると、ナイロンの洋傘一本を買うおカネがあったら、

コメを七升ぐらい買えるらしい。

洋傘はそれぐらい高い、簡単には買えないものだ・・・


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映画でこの和広君の傘のシーンがないのが残念・・・

お給料は安いが一生懸命働いてくれるお父さんが大好きな和広君。

大事な傘を学校帰りにどこかに忘れて来てしまい、

町内中を探し歩く。

途中、和広君と同じ傘を持っていた上級生を盗んだと誤解してケンカしたり・・・

結局傘は見つからなかった・・・

和広君は、お父さんを迎えに駅まで行き泣き出してしまう。

事情を知ったお父さんは、近くの傘屋さんへ連れて行き、

新しい傘を3本買ってくれる。

「そろそろみんなの分の傘を買うつもりだったんだ。くたびれてたからな。」

と言って笑った。

ちょっと無理した笑顔だったが・・・

和広君は心の中で言った。

おとうちゃんごめんなさい。

おとうちゃんありがとう。



山本 幸久 「幸福ロケット」


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価格:1,260円(税込、送料別)






クラスで八番目にカワイイ「あたし」(山田香な子、小五♀)と

深夜ラジオ好きでマユゲの太いコーモリ(小森裕樹、小五♂)の

可笑しくて切ない初恋未満の物語。



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ふたり同じ未来を見てた。

京成電車にガタゴト揺られながら・・・



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「コーモリ、あのあと、なにをいおうとしたの?

あれは別れの言葉だったの?

わかりづらいよ!」


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京成電車のなかで、ホームの白い光のしたで、

言葉にならない言葉がこぼれてく。

時間はもう止まらない。

胸にこみあげてくるものを感じながら、

あたしは走り続ける。

確かめなくちゃ、聞かなくちゃ・・・

誰も知るはずのない

“未来の笑顔”をコーモリがくれたから・・・


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「おれはいつか山田の前にふたたびあらわれる。

一年後か、二年後、もっとさきかもしれない。

でも必ずだ。

そのときおれの顔がわかるようにそれをもっていてくれ。

山田の未来の似顔絵は、おれ、もっておくから・・・」


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山本幸久

1966年、東京都八王子市生まれ。

中央大学文学部卒。

「笑う招き猫」で第16回小説すばる新人賞受賞。

他に「はなうた日和」「凸凹デイズ」など。



プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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