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古処 誠二 「中尉」

20180629中尉
戦争ものです。

古処誠二さんの戦争ものは、

リアル感が素晴らしいです。

古処さんは現在40代。

元自衛隊員だったんですよねぇ。

絶対顔を見せない人で、

雑誌のインタビューでも

背中とかサングラスの横顔しか

お見受けしたことがなかったんですが、

今はどうかなぁ。

今回の物語は、

終戦を迎えるビルマでの

現地民と日本兵の緊迫する心理戦です。

ビルマのある村でペストが発生して

軍医と軍医を護衛する軍曹が対策に向かいます。

軍医の怠惰な態度に苛立つ軍曹。

しかし軍医はある考えを持っていました。

そんなある日、現地民によって軍医が拉致されます。

ところが、軍曹は軍医の拉致に疑問を持ちます…

軍医と現地民は敵ではなく

計画的犯行ではなかったのか…

軍曹の思いと軍医の思いが一致しているのであれば、

軍医は日本兵を捨て

現地民として生きてゆく事を選んだ事になります。

もし本当に拉致されたのであれば、

軍医はすでに殺されている…

果たして軍医は生きているのか…

軍医が軍曹に語りかけます。

「人の世というものは

妬みと嫉みと恨みから縁が切れないのだ。

平和で満ち足りた世の中であってもだ。

三年半ものあいだ戦災を受け、

敗れた軍隊を前にしていながら

人の心と和を保ち続けるビルマの人々は、

すなわち奇跡のような人々なのだ。

不逞の輩はごく一部でしかないのだ。」



いつもありがとうございます
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古処 誠二 「死んでも負けない」


死んでも負けない死んでも負けない
(2012/12/19)
古処 誠二

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祖父はビルマ戦の帰還兵で、口を開けば戦争中の自慢話だ。当時4歳だった僕にイギリス兵を素手で殺したという話や、自分が現地の娘にモテたことなどを、得意満面に語る。いいかげん聞き飽きたが、話を聞かないと鉄拳制裁が待ち受けている。我が家の生活もすべて祖父の意志が大優先だ。その祖父が倒れて入院した。そしてベッドの上で、あり得ない言葉を呟いた…。


ビルマ(現ミャンマー)での過酷な戦争体験を語るじいちゃんは真剣。

聞く息子と孫は、うんざりも、じいちゃんに反抗せず、

素直に従う良き家族・・・。

ある日熱中症で倒れて救急搬送されて入院した時に・・・

どんなに戦争で過酷でもくじけた事のないじいちゃんが、

うなされて寝言を言った言葉が・・・

「申し訳ない・・・」だった。

誰に対して、何故詫びるのか・・・

どのページにもクスクス笑えるのですが、

この詫びの言葉の意味を聞くと・・・

どんなにか苦しんだ事だろうと察して、

涙がこぼれました・・・



いつもありがとうございます

古処 誠二 「遮断」


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日本もアメリカも戦争が続く限り未来が犠牲にされる。


戦友である清武を撃ち殺した19歳の逃亡兵佐敷真市。

4ケ月の赤ん坊とはぐれた清武の妻チヨ。

片腕片足負傷の少尉川辺雅志。

3人は、置き去りにされた赤ん坊を探すため、
戦火の沖縄を故郷の村へ向けてひたすら北上する。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





古処 誠二「線」

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とにかくこの作家が好き。

文章の一行一行を丁寧に読みたくなる作家。

ページが進むのが惜しい程。

まだ30代の彼が描く戦争とは

「極限の人間模様」と見た。

短編集にしたのが良かったと思う。

極限状態の中、登場する人物の胸中が

まるで音を消して画面を観ているような静かさを感じるのは何故だろう・・・。

「ルール」をまた読みたくなった。。。

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この一線、越えるか、踏みとどまるか・・・・。

過酷な自然、のしかかる重い疲労。

死線をさまよい続ける極限状態にあって、

人間が人間らしくあることは可能なのか。

第二次世界大戦時のニューギニアで、

前線と後方をつなぐ兵站線(へいたんせん)から、

名も無き兵隊たちのドラマを描く、小説の極致。

*********************


「つまり、俺とお前らの心はまるで通じていないということだ。
言葉が通じたところで相手を理解するつもりがないなら同じだということだ。

いや、俺とお前らだけではない。
この班の誰ひとりとして班員を信頼してはいない。
隣の者が得するのを許せずにいる」

*********************





古処 誠二「分岐点」

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「君とは会わない。

この手紙は、片桐さんに頼まれたから書いたに過ぎないことをまず分かって欲しい。

そして、僕がまったく後悔などしていないことも理解して欲しい。

後悔はしていない。

本当だよ。

僕は自分の意志で殺した。

それだけのことさ。」

国外と現実を知っている下士官。

国内と理想しか知らない中学生。

そこに信用が生まれ、

腹を割って何かを語るときに現出する摩擦の大きさは、

片桐の想像を越えた。

臼井が逃亡したのだとしたら?

逃亡するつもりだと成瀬憲之が気づいたのだとしたら?



古処 誠二「七月七日」

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日系二世語学兵ショーティの、

栄光なき孤独な戦い。



古処 誠二「ルール」




鳴神は八木沢の心臓の上に手を置いた。

動いている。

自分の手のひらは、その鼓動を

しっかりと感じている。

助かる。

死にはしない。

八木沢の心臓を鳴神は何度も確認した。

自分が死神ではないことを

証明してくれているような鼓動を、

小指が切り取られた手のひらで

確かめ続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この作品で最も好きな作家となった

古処誠二。

なかなか新刊を出さない作家。

何度か直木賞候補になるも

未だ受賞はならず。

いずれ近い将来受賞すると確信しているが、

出来れば、遡ってこの「ルール」で

受賞して欲しかった。




蝶が舞うリースの時計
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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