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横山 秀夫「臨場」

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終身検死官の異名を持つ倉石。

臨場:事件現場に臨み初動捜査に当たる意味。

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「死んだ老人は5百万ほど生命保険に入ってた。

息子夫婦には大金ですよね?

息子は沖縄に行きたがっていた。

大学時代の先輩がビルの防水加工の仕事をしていて、

来いといってくれていた。

けど、行くにいけない。寝たきりの父親がいるから。」

『ああ』

「保険金と厄介払いの一石二鳥。

そう考えるほうが自然なんじゃないですか?」

『確かにな』

「じゃあ、なぜ自殺と視たんです?」

「倉石さんは、老人の部屋に入ってすぐ自殺と決め付けた。・・・」

「要するに首と金具を見ただけじゃ自他殺の判定はできない。

なのになぜ・・・」

『見たんじゃねぇ。

嗅いだんだよ。

部屋に入ってすぐ、室内の匂いを嗅いで自殺だと判断したんだ。』

「どんな臭いがしたんですか?」

『何も臭わなかった・・・』

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装丁に「立入禁止」の黄色い帯びがついているのが粋ですなぁ。



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横山 秀夫「クライマーズ・ハイ」


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母子が新聞社に直接新聞を買いに来るシーンが印象的だった。
この飛行機事故でご主人を亡くし、
郷里から御巣鷹山に来る途中で、
情報を得たくて新聞店ではなく、
直接新聞社に母子が来る。

地元新聞社なら、
事故当日から最新の情報が掲載されている新聞まで、
一度に手に入ると思い、
小さい男の子をつれて、直接新聞社に買いに来る。

一般の人が編集室にまで入れないのを、
他の局員に注意され
「すみません」と頭を下げて下に下りて行く時に、
悠木が男の子にキッ!とした目でみつめられる。

悠木は、思わず2~3日分の新聞を鷲掴みして、
母親に渡す。

お母さんは、
涙をこぼしながら「ありがとうございます」と言う。

男の子は、悠木をにらみつける。
父親が死んで、
母親を守るのが自分であると自覚しているような目で悠木を見つめる目に、
最新の事故情報を載せるかどうか迷っていた編集部員が、
やはりトップ記事として、事故のその後を掲載する。

誰よりも遺族が情報を知りたい。
その情報を報じるのが、
地元新聞社の役目であるのだからと。。。
私の一番好きなシーン。





プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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