真保 裕一 「赤毛のアンナ」

母を亡くし施設に引き取られて来た少女、
志場崎 安那(しばさき あんな)
同じように辛い経験を持つ施設の仲間たちを盛り上げる案那。
15年後、アンナが男を刺して逮捕される…
何がアンナにあったのか…
幼い頃からの施設の仲間や学生時代の仲間が集まり、
アンナの事件の真相に奔走する。
そこにはアンナの母親の死に関する新たな事実が隠されていた…
とまあ、こんな感じで青春ミステリーとなっているのですが、
単行本一冊は長かった…
アンナは同じ境遇である「赤毛のアン」を崇拝しており、憧れ、
自身もアンになりたくて言葉からしてアン風。
芝居がかって表現豊かに話すセリフが外国小説のようです。
ストーリーの流れは子供時代から描いているので、
イジメや施設育ちの世間からの偏見に対する反発を
アンナの行動で解決していくのですが…
アンナ自体、本心を見せません。
長く付き合っていた友達も
結局アンナの事を理解していませんでした。
事件発生を機会にアンナの過去を探り真相を確かめ
やっとアンナを知る事になるわけですが…
なんかちょっと少女漫画っぽい流れで、
イマイチ首を傾げてしまいました。
警察や弁護士がいるのに、
ポッと出の友人たちが奔走して真相が分かるって…
あり得ない展開…
そんなに簡単に過去を探れるなら、
とっくに警察は真相を見極めていたはず。
アンナ自体も具体的なキャラが見えてこない。
結局赤毛のアンに憧れたアンナは、
アンになれなかったのですが、
アンナ自身の魅力の描き方が
自己犠牲しかないっていうのは、残念。
ラノベ系が好きな人には感動する物語と思います。
ただ、真保裕一さんは、好きな作家さんなので、
こう言う作風も描くんだあ〜とちょっとニンマリ(^^)
いつもありがとうございます

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