辻内 智貴 「帰郷」
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「帰郷」
亡くなった夫の故郷を訪れる妻。
生前夫が世話になった「ある人」に一言お礼を言いたくて会いに行くのだが、
夫が話してくれたその人は存在していなかった・・・。
夫の孤独な幼少期・・・。
悲しく切ない物語でした。
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列車は、あの人の故郷に向かって駆(はし)っている。
夕方に乗り込んだ筈の急行の車窓は、
いつからか私の傍らで夜を映し始めていた。
私は、その心地よい揺れに身を任せたまま、
遠く頼りなく過ぎて行く窓向こうの灯りの中に、
あの人の面影をぼんやりと映し出してみる・・・
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