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平岩 弓枝 「この町の人」


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質屋の未亡人・野沢秋は、きっぷがよくて情にもろくて、お人好し。
で、店は千客万来、終日、腰の落ちつくヒマもない。
下町の人情と哀歓を綴る平岩文学ならではのホーム・ドラマ。

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平岩さんならではの、下町ホームドラマ。

質入れに来る客へのそれぞれの思惑と思入れと悩みを

商売抜きに手助けもするお人よしの秋。

夫を亡くして一人質屋を営む寂しさもあるが、

隣り近所や姪と秋の幼馴染の同居により、

家族同様の暮らしが出来ている。

ほんわかな優しさや切なさも味わえる物語で、

あ~良い時代だなぁ~と懐かしくしみじみとしました。



いつもありがとうございます
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平岩 弓枝 「花のながれ」



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昭和四十年の暮れ、
上野、池之端にある江戸から続く老舗糸屋の当主・清兵衛が亡くなった。
あとに残されたのは美しき三姉妹―
長女として老舗を守るしっかり者の藤代、
のんびり屋の次女喜久子、
そして若くて活発な末っ子の桃子。
下町人情の機微に揺れながら、
三人の娘がたどる三者三様の愛と人生の哀歓を描く表題作ほか、二編。


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1.女の休暇
2.ぼんやり
3.花のながれ

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三篇収録されているのですが、

「女の休暇」は農家の嫁としての女性像を描いています。

手際良く家事・農作業・舅姑の世話・夫と子供への気配りと

自分の事はさて置き、毎日働く香久子。

口癖が「もったいない」。

毎日忙しいのに手抜きをせず家事をこなすお嫁さんの有難さを描いています。

「週に一度は休みが欲しいとか、いろいろね・・・
でも、主婦の生活に休みがあると思うのも間違いですわね。
主婦の休みってのは自分で作らなけりゃ駄目なんです。
そのために要領よく仕事を片づけなけりゃ・・・
仕事を放り出しておいて、のらくらしているのを、
主婦の休みだと私、考えていませんの。
そんなの、怠惰なだけで生活になんのプラスにもなりゃあしません・・・」


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「ぼんやり」は女性としても妻としても先天的な性格と不器用さが

家族や友人からもぼんやりだとイライラさせてしまう「きく子」。

働いても周りに迷惑をかけて数日でクビになるし、

嫁さんからも邪魔扱いされるし、だからと言って頑張る気がない人。

しかも数日とは言え、働いた分のお給料をもらった日に掏られてしまい、

オロオロしながら泣きだしそうになっていても、

世間の人々は誰も振り向きもしないというオチです。

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「花のながれ」は、組紐の老舗の三姉妹の人間模様を描いています。

長女の藤代の、店や財産や跡継ぎ問題の揉め事よりも、

自分のしたい仕事に生きがいを求め一人立ちを選ぶ潔さが心地良いです。

それでも藤代の少々男性に対するウブさと浅はかさが残念な描きかたでした。

女性として魅力的過ぎる表現もウブさに違和感あり。

次女の喜久子の方がしたたかで、肝が座っている感じでした。

三女の桃子は、現代っ子の描きかたですが、

姉の藤代に対する思いやりや鋭い観察力に

むしろ、一番可愛いくて自然な女性と感じ好感が持てました。

藤代を巡って二人の男性が近寄りますが、

一人は、財産と店目当て、一人は別居中の身。

人間模様も複雑で読んでいて面白かったです。






いつもありがとうございます

平岩 弓枝 「女と味噌汁」



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舞台は昭和40年頃、東京・新宿に近い花柳界、弁天池。
芸者のてまりこと千佳子には、
なぜだか次々と、厄介なもめごとが降りかかる。
浮気や嫁姑問題、後輩芸者の恋愛騒動…。
料理の腕も活かしながら、千佳子はそれらを解決していく。
一方で、自慢の味噌汁を売る夢も抱く。
気丈に生きていく彼女だが、幸せな結婚にも憧れて…。
現代にも通じる、女の生き様を颯爽と描いた平岩文学の傑作。

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「男の人にお金を出してもらって店を持とうなんて思いません」
「なぜ、あなたたちの世界では当たり前でしょう」
「私は嫌なんです。
それに、一度に大金をもらって出した店だと、
結局あぶく銭でしょう。
少し嫌なことがあると投げ出したくなるんじゃないかしら。
自分で苦労して、こつこつためたお金で
小ぢんまりと出した店なら、
愛着も深いし、意気込みが違うと思うんだけど・・・」

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池内淳子さんでドラマ放映していましたね。

芸者姿や踊る姿が大変綺麗でした。

物語としては、

魅力的で愛される女性でも男性に頼らず、

一人自立する千佳子である「てまり」の潔い生き方が、

女優池内淳子さんと重なり、素敵な物語となっています。

こちらの本の表紙の絵が良いですねぇ。


いつもありがとうございます

平岩 弓枝 「肝っ玉かあさん」



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東京は原宿のそばや「大正庵」のおかみは太っ腹で、
世話好きで、涙もろくて、と三拍子それったお人好し。
加えて目方も女にしては並はずれた横綱級で、
ひと呼んで、“肝っ玉かあさん”。
このユニークなかあさんを主人公に、
大正庵をめぐるさまざまな悲喜劇と人間模様を
軽妙のタッチで描く長編小説
(かつての人気TVドラマの原作)

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どこにも人生はあるのだと、五三子(いさこ)は想った。
人は人に支えられて生きている。
自分の幸せを自分が作ったと思うことの、
恥知らずを五三子は考えていた。

いつか、親と子が別れるべき日が来たら、
どんなに辛くとも、
肝っ玉のあらん限りの勇気を持って、
自分も新しい天地を求めねばならなかった。

それまでは、今日も明日も、
大正庵の肝っ玉かあさんであった。


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日本のお母さんと呼ばれた京塚昌子が五三子を演じて、

ホームドラマとして愛された物語でしたネ。

とにかくあんなに太っていて動くのも大変そうなのに、

汗をかきかき、あっちにこっちに体だけでなく、

神経も使っていた五三子。

母親として、祖母として、姑として、蕎麦屋の女将として、

はたまた一人の女性として、

それぞれの立場からの想いを描いています。

母親から見た長男一(はじめ)や、娘である三三子(みみこ)の事。

長男夫婦の一人娘を見る祖母としての事。

長男の嫁に対する姑としての事。

夫を戦争で失い女手一つで二人の子供を育てながら

長年蕎麦屋を営んでいる女将としての事。

偶然再会した幼馴染とのささやかな男女の想いの事。

いろいろな立場を五三子を通して、

共感なり、せつなさなり、もどかしさなり、哀しさなりを得る事が出来ます。

ネットでも観る事が出来るこのドラマの中の

肝っ玉かあさんを演じた京塚昌子がちょっとアドリブっぽいしぐさや

セリフ回しが優しくて、ユーモアもありほんわかします。

優しさや思いやりが基盤になっていてホント癒されます。

こういうホームドラマまた観たいなぁ。

再放送してくれないかなぁ。



いつもありがとうございます

平岩 弓枝 「江戸の子守唄--御宿かわせみ」



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平岩弓枝「御宿かわせみ・江戸の子守唄」
小さな宿の女主人るいと、
次男坊ながら親代々八丁堀与力の家に生まれた東吾。
尋常にいえば縁組の成立するわけがなかった―。
二人の“忍ぶ恋”を縦糸に、
江戸下町の四季の風物を織り交ぜながら描かれる、
人情味あふれる捕物帳。

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宇江佐真理さんの伊三次シリーズを読んでいるせいか、

どうもこちらの二人の男女に魅力を感じない。

8編の物語のどれも面白さを感じませんでした。

他の平岩さんの本を読み漁る予定ですが、

かわせみシリーズは今回で終了。



いつもありがとうございます

平岩 弓枝 「旅路 上・中・下」

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北海道の鉄道を舞台に、大戦をはさんだ激動の時代を力強く生きる人々を描く、
愛と感動のドラマ。
大正14年11月の朝、室伏雄一郎は、父と母の二つの骨壺を持って函館本線の乗客になった。
父嘉一が死んだのは10年前、雄一郎が10歳のときだった。
嘉一は故郷の須賀利を出て死ぬまで25年間、一度も故郷に帰らなかった。
5年前に胃潰瘍で死んだ母も同様だった。
雄一郎は無給の駅員見習のちにやっと本雇になり、
今、故郷の南紀州の墓に両親の骨を納めるために旅立つのであった。


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室伏雄一郎は、両親の故郷、南紀州尾鷲の素封家中里の次女有里と結婚した。
雄一郎は小樽から釧路へ転勤し、妹の千枝は釜たきの岡本良平と結婚。
横浜の姉はると伊藤栄吉の仲はなかなか進展しなかったが、
雄一郎に長男秀夫が誕生し、千枝にも七か月遅れて長女雪子が生まれた。
昭和六年満州事変、翌年早々には上海事変が起こり、
平穏な北海道の日々も、時代の暗雲の中に包み込まれていった。


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昭和9年に丹那トンネルが開通、室伏雄一郎は助役になった。
中国大陸における戦火が拡大していく中、姉はると伊藤栄吉の婚儀が北海道で挙げられるが、
これが北海道での明るい最後の祝事であった。
新婚早々の栄吉が、妹の夫が、そして雄一郎が、次々に出征し、大陸に渡る。
戦火が室伏の平和な家庭を、幾十万の平和な家庭をずたずたに引き裂いていったのである。


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戦争を挟むと物語は激変します。

女性も男性も相手を想うあまり身を引いてしまうあたり

昭和だなぁと思いました。

苦労を苦労と思わず当たり前のように働く人々。

最終章では悲しい結末になりますが、

それでも生きた証を大切に力強い雄一郎と有里。

人の縁を大事にした二人の人間性の美しさが感動します。



いつもありがとうございます

平岩 弓枝 「あした天気に上・下」

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一人娘に対する男親の愛情も、
度をこすと何かと問題続出。
幼稚園は言わずもがな大学の修学旅行にまで
心配でついて行った程だから、
一年間の期限つきで就職した商事会社の
初出勤の日とても例外ではない。
入社してつけられた仇名はパパっ子ちゃん・・・。
実は血のつながりのないこの親子の
真の心のふれあいを結婚問題を芯に描く長篇。


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社会に出した娘に悪い虫がつかないか、
父親は気が気ではない。
ナフタリンをネックレスにして娘につけさせたい。
よそ目には滑稽でも当人は大まじめでそう思っている。
しかし一方、娘の幸せを願う気持ちは万人に負けない。
三国一のお婿さんを・・・
そして、とうとうその日が来てしまった。
笑いと涙でつづる“貰いっ子・ちづる”の物語。


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一日に一度、ちづるは格子をあけて、顔をのぞかせた。
「お母ちゃん」と呼んで、里子がにこりとすると、
ぱっと逃げて行ってしまう。
声をかけてやろうにも、菓子を用意しておいても、
呼びとめる暇もない速さで、三歳の子は格子をしめて
行ってします。
それが物足りなくもあり、一層、不憫でもあった。
「あの子、養女にもらえないかしら」
里子がそういい出したのは、
そういうことが一ヶ月近く続いてからである。

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田所の手がちづるを掴んだ。
体が綿のように軽くなり、
ちづるは田所の腕の中にいた。
ちづるの心に雪が降っていた。
昨夜、田所と歩いた道に、
しんしんと降り積もっていた白い雪が
ちづるの心の中に降っている。


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昭和の雰囲気がとても懐かしくほんわかする物語です。

度の過ぎる親バカぶりが極端でクスっとします。

養女である「ちづる」と両親との関係性が理想的な描き方をしています。

少々非現実的なのですが、

「いいなぁ~こういう家族~」と思いながら微笑ましく読みました。

俳優さんで言うなら、

ちづるは、20代の頃のミムラさん。

お父さんである民三は、50代の頃の鶴太郎さん。

お母さんである里子は、高畑敦子さん。

ちづるの夫になる田所は、坂口憲二さん。

こんなイメージが浮かびました。

実際、昔ドラマになったそうで、

ちづるは、仁科明子さん。

夫になる田所は、浜畑賢吉さん。

お父さんは、益田喜頓さん。

お母さんは、ミヤコ蝶々さん。

だったそうです。

若い頃の仁科明子さんは、ぴったりだなぁ~。

聡明で品があって可愛くて、やさしい雰囲気がぴったり。

現代のドラマとしては物足りないストーリーなのですが、

こういうほんわかホームドラマも癒されるんですけどねぇ。

歳になったせいか、ついつい口に出てしまうセリフが・・・

「昔は良かったなぁ・・・」です・・・。

今について行けないからの口癖なのですがね・・・(笑)



いつもありがとうございます

平岩 弓枝 「ちっちゃなかみさん」


ちっちゃなかみさん 新装版 (角川文庫)ちっちゃなかみさん 新装版 (角川文庫)
(2008/09/25)
平岩 弓枝

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向島で三代続いた料理屋の一人娘・お京も二十歳、
数々の縁談が舞い込むが、心に決めた相手がいた。
相手はかつぎ豆腐売りの信吉。
驚く親たちだったが、なんと信吉から断ってきて・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・

「信吉は手前どもでございますが・・・」
大人顔まけの挨拶で障子をあけて出て来たのは十歳くらいの少女だった。
地味な木綿の着物に赤い帯、前かけで手を拭く動作が、
世話女房の恰好だった。
客の風体をみて、すぐに豆腐を買いに来たものではないと悟ったらしく、
「どなたさまでございましょうか。
信吉は只今、商いに出かけて居りまして留守でございますが・・・」
嘉平は面くらった。
妻をみると、お照も茫然と突っ立っている。
止むなく嘉平は、身分を告げ、この近くまで来る用があったので、
ついでに立ち寄ってみたのだと、お照をうながして手土産を出させた。
「それは・・・わざわざお立ち寄り下さいまして有難うございます。
いつもお世話になりました上に、
頂戴物まで致しまして、お礼の申しようもございません」


一歳と六歳の幼い子供二人を置いて出て行ってしまった両親。
母親の弟である信吉が男手一つで豆腐作りから売り歩きから、
飯の仕度をしながら小さな甥と姪を抱えて悪戦苦闘の連日だった。

姪のお加代は利発な子で五歳くらいから飯たきの手伝い、
拭き掃除、弟の子守りして今では立派な信吉のおかみさん代わり。

信吉と相惚れの料理屋の娘お京だが、嘉平もお照も大反対。
しがない豆腐売りと料理屋では不釣り合いである事と
小さな子供がいる信吉の嫁に行かせるわけには行かない・・・

そんなある日、お加代が弟と料理屋「笹屋」を訪れ、
何とか兄ちゃんを養子にして欲しい、
お京さんと結婚させて欲しいと懇願する。
信吉がお京さんと結婚できないのは自分達二人がいるから・・・

「自分と弟はどこかへ行きます。
決してお邪魔にはなりません・・・
私は年より背が高いので、大きく見られます。
子守だって、洗いものだって、拭き掃除だって出来ます・・・
どこへ行ったって一生懸命になれば・・・
やれます・・・
兄ちゃんには知れないように出て行きます」
と言う。

一と晩中、考えて加代は決心した。
これ以上、兄ちゃんの重荷になってはいけないのだ・・・。


妻のお照が嘉平に言います。
「あなた・・・お京を嫁にやりましょう
あなた、加代って子の言ったこと、考えて下さいまし。
十一かそこらの子が、六つの弟を連れて、
家出をしようと決心したんですよ。
この世でたった一人、杖とも柱とも頼む兄ちゃんの幸せを考えて・・・
どんなに辛かったか・・・悲しかったか・・・
心細かったか・・・」

「お京を嫁に出すと・・・寂しくなるぞ、お前も・・・俺も・・・」

「お京の代わりに、加代と治助を貰いましょう。
私たち、娘がしっかり者なのに安心して、
つい、年齢より年寄り臭くなっていましたけれど、
まだまだ子供の一人や二人、育てられますよ。」

「同情はいいが・・・あとで後悔するなよ。」

「あなた、この子たちの若い叔父さんは、
たった一人で、この子たちを守り抜く覚悟をしたんですよ。
私たちにも分別があります。
若い人よりは世の中を見ています。
自分の子なら、親は死に物狂いになったって、
守り抜いてみせるものです・・・。」


いつもありがとうございます
蝶が舞うリースの時計
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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