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半村 良 「どぶどろ」

20180907-3.png
本所六間堀で夜鷹蕎麦屋の老爺が斬り殺された。

現場が自分の仕える銀座町役人と関わりのある

武家の 屋敷前だったことから

平吉は疑念をもち、

事件を追っていくうちに

驚愕の真相が!

・・・・・・・・・・・・・・・

信じていたものに裏切られる。

最後が理不尽過ぎる物語…

宮部みゆきさんが

時代小説を書くきっかけになった小説だそうです。



いつもありがとうございます
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半村 良 「すべて辛抱 上・下」 

すべて辛抱(上)


すべて辛抱(下)


貧農の子亥吉と捨て子の千造は
青空寺子屋で読み書き躾を習い、
十一歳にして江戸に発った。
薬種問屋に奉公した亥吉の働きぶりは、
若旦那の認めるところとなる。
多角経営の一環として始めた小料理屋に派遣され、
ここでも並々ならぬ腕を発揮、
ついには店の運営までまかされるようになり…。
半村良、最後の長編。


・・・・・・・・・・・・・・・・

「人にはそれぞれ相性というものがる。
根を据えて生きる時、
どのような相手にも、
まず自分との相性を見よ。
相性とは好き嫌いじゃ。
同じことをされても、
許せる相手と許せぬ相手がある。
好きか嫌いかを見る時は、
まずおのれが平静でのうてはならぬ。
まず平静であれ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・

天明から寛政にかけては、
そうした時代の境目で、
亥吉などはその境目に現れた人間だったのだ。
それだけに、亥吉などは時代の先端に立ちながら、
やたらとうしろに引っこみたがり、
新しい商売をひとつ摑んでも、
すぐそれを手放して人に任せてしまうのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・

亥吉などが時代の先端に立ちながら、
その流行から常に逃げようとする構えを
示したのは、
まだ古い権威層の圧力が、
世の中の上層にかぶさっていたからにほかならない。


・・・・・・・・・・・・・・・・

「考えよう。
搾り出そうじゃないか。
うまく行かなくてもいい。
最初は当たらなくても仕方ない。
でも考えを続けて行くうちには、
なにかしら突き当たるもんさ。
今まで俺たちは、途切れ途切れに考えていたんだ。
売れるものを考え出すのが
俺たちの本当の仕事だったんだ。
売れるものを考えだしたら、
それで儲けなんかどうでもいいんだ。
どうだい、こういう考えで生きて行かないか」


・・・・・・・・・・・・・・・・

商売は儲かりはじめた時が勝負。
手にした銭の多さで人間が変わってしまうことがあるのだ。
銭の多さを追い求めるな。
馴染みの客の多さこそ、
商売の成否をきめる要所なのだということが、
亥吉には肝に銘じて分かっていたから、
あまり派手な商売を探す気にはなれなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・

あれを寺子屋と呼ぶのは俺と千造だけなのだ。
崩れかけた建物のそばで、
雨の日も風の日も、
老人から読み書きを習い、
しまいには難しい論語の意味や
世の道理まで教わったのが、
遠い日の思い出から、
つい昨日のことのようによみがえる。
一緒にいたのは千造だけなのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・

長い話だった。
文字も書けないころから、
野宿同然の学問所で成長をとげ、
何泊かして江戸に出て、
人込みに紛れて大人の知恵をつけ、
商売を覚えて金を稼げるようになり、
お互いに寄り掛かり合いながら暮らして
成功者の仲間入りを果たしたのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

亥吉と千造の一代記です。

それにしてもとにかく次から次と商売を変える二人。

先見の明があるので、

常に先の流行るものを取り入れる商売。

取りかかりは大変でもすぐに繁盛し、

繁盛すれば真似る商売人が現れる。

そうすると、二人はもうその商売には見切りをつけて

次の流行る商売に掛かる。

成功ばかりではなく騙され財産を全て失う事もあった。

また一から出直す時もクヨクヨせず女房と共に頑張る亥吉。

そんな亥吉に生涯二人で商売に励もうと手伝う千造。

やっと儲けが出た頃に銭儲けばかりを考えるのではなく、

人の役に立つような仕事をしたいと長屋作りをする。

みすぼらしい古い長屋を綺麗に立て直し

住人には常に身綺麗にするよう説く。

自分の身体が綺麗だと

規則正しく生活をするようになり、

仕事を真面目に律儀にするようになる。

結果、仕事ぶりも上向き、暮らしぶりも上向き、

家族も仲良く穏やかに暮らせるようになる。

亥吉も千造も貧しい幼少を過ごしたからこその考えに

間違いはありませんでした。

物語を通して一代記となると、

「おしん」や「細腕繁盛記」

はたまた「あかんたれ」のような

苦労・いじめ・裏切り・挫折・みじめさ・・・

などのような描写が予想されたのですが、

ジメジメした雰囲気は全く描かれていませんでした。

亥吉と千造の周りには二人に見合う仲間が集まります。

家族共々信頼できる人ができた時などは、

常に謙虚に相手を褒め・感謝する表現に感動しました。

江戸から明治に代わる時代の大きな境目で生きた亥吉と千造。

最後の最後まで表にでしゃばらず

穏やかで過ごした大変素晴らしい人生を感じました。



いつもありがとうございます
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プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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