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藤井 邦夫 「詫び状-知らぬが半兵衛手控帖⑭」

詫び状-知らぬが半兵衛手控帖(14) (双葉文庫)詫び状-知らぬが半兵衛手控帖(14) (双葉文庫)
(2011/05/11)
藤井 邦夫

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酒に酔って刀を振り回した下総佐倉藩士を一刀のもとに斬り倒した浪人者がいた。
太刀筋から田宮流抜刀術の遣い手と睨み、
男の探索を開始した北町奉行所臨時廻り同心白縫半兵衛だったが、
大店の米問屋で台所奉公する男の女房の周辺で
押し込み強盗の影がちらつきはじめる・・・

懸命に幸せを求め全てを捨てて一緒になった
糟糠(そうこう)の妻への最後の憐情(れんじょう)・・・。

※糟糠(そうこう)の妻とは、
 貧しいときから一緒に苦労を重ねてきた妻の事。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「すまぬ、おたえ・・・」
速水は、駆け落ちをしてから仕官先を求めて懸命に運動した。
おたえは、そんな速水を支えて働いた。
だが、速水に仕官の口はなく、
次第に身を落とした。
おたえは、そんな速水を責めず、
身を粉にして働き続けた。

速水は駆け落ちして以来、
苦労を強い続けて来たおたえに詫びた。
そして、筆を取り、懐紙に三行半を書き始めた。

三行半とは、夫から妻に出す離縁状であり、
離婚を告げ、再婚するのに問題ない事を三行半で
書き記したものだ。

速水は「玉泉堂」喜左衛門から受け取って来た四つの切り餅百両を、
書き終えた三行半に添えて風呂敷に包んだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・

今回も4話収録。
1.冬の夜
2.詫び状
3.貧乏神
4.花吹雪

・・・・・・・・・・・・・・・・

せつない物語4編です。

半兵衛の下で働く半次・鶴次郎・房吉が、

ちょっとした出会いの相手に気を付けて探りをかけたところ

大きな事件の手がかりになっていたというお話が続きました。

半兵衛の昔の岡っ引きが亡くなり、その娘にお金を渡して

独り立ちさせ、看板もない質素な飲み屋を開いたお夕も登場。

人と人の出逢いはほんのちょっとした偶然と気遣いだなぁと思いました。

特に「貧乏神」に出て来る善六親父に至っては、

自分が手掛けた仕事をするとその店や主人が悪い方向に行き、

人から貧乏神と言われ仕事をもらえることが出来なくなり、

やけになって橋から身投げしようとしたところを鶴次郎に助けられます。

その縁から、善六が事件解決を導いてくれます。

貧乏神は、人を救う神へと変わる善六に半兵衛は、


「善六に貧乏神が取り憑いたのは、

運が悪いと云うだけではなく、

自信のなさや卑屈さが招いた処もあるのだ。

今、善六に必要なのは、己に自信を持つ事なのだ。」


と言います。


良い言葉ですねぇ。




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プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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