畠山 健二 「本所おけら長屋」 「本所おけら長屋2
![]() | 本所おけら長屋 (PHP文芸文庫) (2013/07/17) 畠山 健二 商品詳細を見る |
本所亀沢町にある「おけら長屋」は、
大家の徳兵衛、米屋奉公人の八五郎、
後家女のお染など、ひと癖ある店子が入り乱れて毎日がお祭り騒ぎ。
それもそのはず、お金はないけど人情に厚く、
かっとくるけど涙もろい。
自分より他人のことが気になって仕方がない。
こうした面々が、12世帯も軒を並べているのだ。
鉄斎がやってきた。
津軽の某藩を辞去し、江戸へ流れてきたのだ。
剣の腕がたち、冷静に物事に対処できる鉄斎は、
おけら長屋の連中が頼りにする心強い「旦那」。
鉄斎を迎えて、何かと騒がしい長屋の面々が遭遇する事件とは……。
著者は、本所育ちで演芸の台本などで複数の受賞歴を誇る手練の書き手。
今回は満を持して、文庫書き下ろし時代小説に初挑戦。
2013年本屋大賞作家・百田尚樹氏も「
この小説には、やられた! 」と太鼓判の出来ばえ。
江戸落語さながらの笑いと人情にあふれる作品世界をとくとご堪能あれ!
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「江戸は面白いところですなあ。
まだ半日だというのに、
次々と事件が起こる。
自分たちの振る舞いが、
天に恥じないことならば、
なんとかなるはずです」
この手の話に弱い八五郎が泣き出した。
「島田の旦那、あっしは旦那に惚れました。
あっしら三人、命に換えても、
お幸ちゃんを守ってみせます」
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![]() | 本所おけら長屋(二) (PHP文芸文庫) (2014/03/10) 畠山 健二 商品詳細を見る |
笑いあり、涙あり。
テンポのいい会話と肩の凝らない文体で、
「新しい時代小説だ! 」と大好評を博した
『本所おけら長屋』の続編がついに登場。
お騒がせコンビ万造・松吉に、振り回される大家の徳兵衛、
わけあり浪人・島田鉄斎に左官の八五郎、おかみさん連中……。
「人情に厚く、おせっかいで大間抜け」な江戸っ子パワーはさらに倍増。
婚礼を控えた久蔵とお梅を思うあまりの
万松(万造・松吉の略)のおせっかいが大波乱を巻き起こす「だいやく」、
万造と迷子の勘吉との胸に迫る交情を描いた「まよいご」、
鉄斎の元主君・高宗が長屋を訪れて大騒動になる「こくいん」など、
読みだしたら止まらなくなる力作6篇を収録。
前作以上に、笑える、泣ける、温まるの江戸落語さながらの世界を、
小説で表現した意欲作。
『永遠の0』の百田尚樹氏をして「あかん、泣いてもうた! 」と
感嘆せしめた絶好調の連作時代小説シリーズの第2弾、満を持しての登場。
文庫書き下ろし。
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「人は血でつながってるんじゃねえ。
心でつながってんだ。
このおけら長屋の連中を見てみろ。
もとはみんな他人じゃねえか。
なのにこうして他人のことに必死になってやがる」
「あんた、重い荷物を一人で背負い込む気なのかい。
おけら長屋は何のためにあるんだい。
その重い荷物を、みんなで少しずつ分け合うためだろ。
この長屋に住む貧乏人はね、
そうやって生きていくのさ」
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いつもありがとうございます

安住 洋子 「夜半の綺羅星(よわのきらぼし)」
![]() | 夜半の綺羅星 (小学館文庫) (2007/10) 安住 洋子 商品詳細を見る |
老舗の紙問屋の跡取りとして生まれた達造。
しかし、祖父、父が相次いで病死。
婿に入った継父とは不和。
弟妹が生まれ、居場所を失う。
子守奉公のおたえとの交流だけが、心の支え。
だが、やはり家に居づらく出奔。
庶民からは「犬」と疎まれる目明しの下っ引きになるが、
持って生まれた真摯さはなくしていない。
事件が起こる。
仲間の下っ引きが殺されたのだ。
犯人を追ううち、実家が火付け盗賊に遭い、
一家は惨殺、家は焼失の憂き目に。
女中のおたえだけが生き残る。
非運にもめげず、闇に潜む悪を追う達造だが…。
裏長屋の住民たちの人情や、
下層に生きる仲間たちとの交流を通して、
大きく成長していく一人の男の半生を描く、
感動の時代小説。
前作『しずり雪』の続編とも言える物語。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
佐喜蔵の夜泣きが収まった頃、
お光もまた夜泣きがひどくなり、
おたえは夜中に一人家を出て近くの聖天稲荷で
夜明けまで過ごすことがあった。
おたえがそっと開ける潜り戸の音を聞き、
達造は後を追いかけたことが何度かある。
朝までお光をあやしながら一人で過ごすなど、
幼いおたえには心細いだろうと思うと
足が自然に動いた。
「坊ちゃんは戻って下さいまし。
明日も手習いがありますし」
しかし、達造は朝まで一緒に付き合っていた。
灯りが消えた江戸の夜は闇に包まれていた。
聖天稲荷の境内の木々は、
大きな神社や寺に比べれば僅かなもので大木もない。
それでも闇の中、風に揺れている様は子どもにも落ち着かない。
夜空よりも黒く揺れている。
空を見上げた方が気が晴れる。
空には、一面星が輝いていた。
「降ってきそうだよ」
おたえも背にお光を揺らしながら顔を上げた。
おんぶ紐で首を絞められそうになりながら、
息を呑み見上げている。
「すごい数」
「江戸にいる人と同じくらい多いな」
この夜空の星が江戸に住む人ならば、
もうこの中には父と祖父はいないと、
達造はふと考える。
こんなに数え切れぬくらいの星が煌めいているというのに、
父も祖父もいないのだ。
「おたえと俺の星もあるのかなぁ」
夜空の闇に目が慣れてくると、
星はその数を増していく。
・・・・・・・・・・・・・・・・
悲しい生い立ちの「おたえ」。
五歳で達造のお店に子守り奉公にあがる。
五歳で奉公ですものねぇ・・・。
苦労しどうしのおたえの健気さが大変魅力的です。
おたえが達造を支えていなければ、
達造は、単なる下っぴきで荒れていたでしょう。
心根が優しくしっかりした達造の眼は、
後におたえと所帯を持ってからも十手を預かる岡っぴきとして
町の人々に信頼されるようになります。
安住洋子さんの描く物語は大好きです!
いつもありがとうございます

友人とのお別れ会 2014.3.12(水)
高校時代の同級生が先日病気で亡くなりました。
本日、お別れ会に参列し私は受付もお手伝いさせて頂きました。
亡くなるには早すぎる為、受け入れる事が出来ない状態です。

ご両親が娘に対してご焼香する姿があまりにもせつなかったです・・・
キャンドルを友人一人一人捧げました。

我々友人一同で贈らせて頂いたお花です。
急なお知らせでしたが、本日皆んな仕事を休んで参列しました。


お別れ会の後のお食事の時。
思い出話に時間がいくらあっても足りません。
お二人のお嬢さんが気丈に振舞っていましたが、
火葬扉が閉じた途端に泣き崩れていました・・・
昨日は少し雪がちらつき、
本日は朝から小雨が降りました。
涙雨ですね・・・
いつもありがとうございます
本日、お別れ会に参列し私は受付もお手伝いさせて頂きました。
亡くなるには早すぎる為、受け入れる事が出来ない状態です。

ご両親が娘に対してご焼香する姿があまりにもせつなかったです・・・
キャンドルを友人一人一人捧げました。

我々友人一同で贈らせて頂いたお花です。
急なお知らせでしたが、本日皆んな仕事を休んで参列しました。


お別れ会の後のお食事の時。
思い出話に時間がいくらあっても足りません。
お二人のお嬢さんが気丈に振舞っていましたが、
火葬扉が閉じた途端に泣き崩れていました・・・
昨日は少し雪がちらつき、
本日は朝から小雨が降りました。
涙雨ですね・・・
いつもありがとうございます
