fc2ブログ

絵の中のミコ  2015.4.24(金)



001_20150424182956d4c.jpg



いいねぇ~この雰囲気(^^)



いつもありがとうございます
スポンサーサイト



押川 國秋 「十手人」


十手人十手人
(2000/03)
押川 国秋

商品詳細を見る


死んだはずの母親の消息を訊いた酒場で暴れ入墨者になった源七は、奉公先で盗みの濡れ衣を着せられた娘・お菊を救うため奔走する。町方同心・佐々木弦一郎の下で、十手捌きを身につけていく源七に、渋柿長屋の人々の眼差しは温かい。お菊を陥れた悪党を源七は炙り出せるのか!? 江戸の人情を描く<第10回時代小説大賞受賞作>捕物帖。

・・・・・・・・・・
原七は横山町へ向かって歩きながら、俺はどうしてお菊という女のためにこんなに一生懸命になっているのだろう、と考えていた。
・・・・・・・・・・
源七は眠れぬままにお菊のことを考えた。孫八に「惚れているんだろう」と決め付けられた時、どうしてすぎに「惚れている」と答えられなかったのか、そしてそんな自分に何となく忸怩(じくじ)としたものを意識したのはなぜなのだろう、と源七はその時の気持ちを反芻(はんすう)していた。
・・・・・・・・・・
お菊の顔は今にも泣きだしそうに歪んでいた。あまりの嬉しさに言葉を失った表情であった。「お菊」そう叫ぶ声がし、久蔵が駆け寄ってお菊の身体を夢中で抱きしめていた。源七はその兄妹の姿を見やりながら、これで何もかも救われたのだと思うと、胸いっぱいにあふれるような歓びが突き上げ、周りのもの全てが涙に滲んでしまって、ただ陽炎のような光景に見えるだけだった。
・・・・・・・・・・
弦一郎は内心で、源七のことをなかなか見どころのある奴だと思っている。一人の流罪の女を救ったも同然なのだから、普通なら得意顔で吹聴して回るものだが、源七はそれを全く誰にも喋っていなかった。それなりの理由が彼にあったにしろ、口が軽薄でないということは、弦一郎にとってなかなか見込みのある人間なのである。
・・・・・・・・・・
源七はいつの間にか、父親の辰五郎とお琴という女のことを考えていた。二人とも幸せになれると信じて一緒になったのだろうに、片方は今では帳外者としてこの世の地獄に落ち、そしてもう一方は謂れもなく殺されてしまったいた。その二人がこの世に産みだしたたった一人の人間がこの俺なのだ。それが今こうして、幸せな人間を眺めながらぼんやりと独りで立っている。源七は訳もなく胸の中が熱くなってきて、流れる涙を拭おうともせずに、少し濁ったお玉ガ池の水面を見つめていた。
・・・・・・・・・・
日比谷町の裏長屋には、暑い夏の夕暮れの、なんとなく孤愁をそそるもの憂い風情が漂っていて、そこかしこの女たちの声も、遠い日の記憶を思い起こさせるような響きがあった。
・・・・・・・・・・
科書(とがしょ)の捨札を立てた横四尺の獄門台の上に、お稲の首は少し上を向いた形で据えられていた。飾り一つない髪には心ばかりの櫛が通され、血の色を失った顔に、冬晴れの寂寞(せきばく)とした陽射しが注いでいた。瞼は閉じられていたが、源七にはその動かぬ表情が、じっとわが子の泣き声に耳を澄ましているように思えた。女に生まれ、初めて身二つになった一番幸せな筈のそのさなか、首を落とされてしまったこの世の哀しみを、よろずの神や仏に一心に訴えている顔でもあった。牢屋敷で産み落とされたのは男の児だったという。父親の顔も知らず、母親の顔も知らぬその子の行く末を思った時、源七は自分の生い立ちと重ね合わせ、とても手におえない理不尽さを突きつけたれたようで、長いあいだその場に立ちつくしていた。
・・・・・・・・・・
「一人で気張っているのはよせ。気持ちを通じ合い、
助け合ってゆくのが世間なんだ」




いつもありがとうございます

畠山 健二 「本所おけら長屋④ 」


本所おけら長屋(四) (PHP文芸文庫)本所おけら長屋(四) (PHP文芸文庫)
(2015/03/09)
畠山 健二

商品詳細を見る


1.おいてけ
 本所亀沢町にある『おけら長屋』は、いつも騒動ばかり。
本所七不思議のひとつ、
おいてけ堀で河童の捜索を始めた万造と松吉が
巻き込まれた事件とは?

2.あかいと
 大工の八五郎の娘、お糸と文七の恋がついに決着?

3.すりきず
 島田鉄斎と因縁のある女スリが再び彼の前に現れて・・・。

4.よいよい
 易者に運命の人と巡り逢うと言われたお雅の相手は
酒癖の悪さで藩を追い出された錦之介。
そんな事は知らないお雅は錦之介に夢中になり
追いかけるのだが・・・

5.あやかり
 長屋で孤立無援となった松吉を、
相棒の万造は救えるか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.おいてけ
 「常吉。もうよいのです。私は・・・
奉公人は主を守るものだという、
大きな思い違いをしていました。
主が奉公人を守らなければならないのです。
私は主の娘です。
まずは常吉のことを考えるべきでした。
島田様に諭され、目が覚めました。
私はどのようなお咎めもお受けする覚悟でございます。
どうか常吉はお許しくださいますよう、
お願い申し上げます。」


2.あかいと
 「この前、お糸ちゃんに元吉さんの話をしただろ。
あの晩、布団に入ったら、元吉さんのことを思い出しちまって
涙が出てきた。
こんな歳になっても、女って厄介なものだね。
どうして涙が出てくるかわかるかい。
今さらどうにもならないことだからなんだよ。
だから切なくて涙が出てくるのさ。
お糸ちゃんにそんな思いはさせたくないからね。
心に引っかかっていることがあるなら、
自分ではっきりさせなさい。
逃げちゃだめ。逃げたら、あたしのようになる。
あたしの話はそれだけ。」


3.すりきず
 「ええ。天下泰平などとは名ばかりで、
捨て子なんて、そこらじゅうにいます。
十歳やそこらの娘が1人で生きていけるほど、
世の中は甘くありませんからねえ。
金持ちの懐から金子をスッて、
恨みを晴らすだなんて、とんだ御門違いだって、
わかってはいるんですけどね。
でもね、島田様、あたしが拾ってやらなかったら、
あの娘たちはどうなっていたんでしょうか・・・」



4.よいよい
 「阿波でーす」
錦之介は、そのまま表に出ていった。
井戸端で、大根を洗い、米を研いでいるのは、
八五郎の女房、お里と、佐平の女房、お咲だ。
何やら路地の方が騒がしい。
「き、錦之介さん、島田の旦那の家はそっちじゃねえ。
こっちですよ」
お里と、お咲が声のする方を見ると、
一人の男が千鳥足で近づいてくる。
その男の格好に二人は息を止めた。
素っ裸なのに、なぜか頬っ被り。
腰には帯をまいて竹ボウキを差している。
顔を見ると、鼻血を流しながら笑っているではないか。
「ギャー」
後ろからその男を追いかけてきたのは八五郎だ。
「心配するな。怪しいもんじゃねえ」
お里は、腰を抜かしたようだ。
「お、お前さん、これが怪しくないなら、
世の中に怪しい人なんて一人もいなくなるじゃないか」



5.あやかり
 「それだけじゃねえですよ、島田の旦那。
お熊ばあさんは、おれたちに挑んできやがったんでえ。
おけら長屋のお手並み拝見ってね。
こいつあ、しくじることはできなくなったぜ。
おけら長屋の底力を見せてやらなきゃならねえ。
「面白くなってきたな。
これだから、あんたたちと暮らすのはやめられない。
さあ、どうする万松」




いつもありがとうございます

吠え方を調整できるワンちゃん(笑)   

柴犬のマメちゃん。

飼い主のママさんの言う通りに吠え方を変えています。

可愛い!面白い!(笑)





いつもありがとうございます
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

カレンダー
03 | 2015/04 | 05
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
日記
7730位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
2815位
アクセスランキングを見る>>
最新コメント