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佐藤 秀峰 「特攻の島9 完結編」

無題

『生還を許さない兵器』

人を魚雷に乗せると言う

前代未聞の水中特攻兵器「回天」。

この兵器は実在した。

・・・・・・・・・・・・・

俺は死が怖い…

理由は死に意味を見つけられないからだ。

もし死ぬことに何か意味を見出せれば、

死は単なる恐怖ではなくなるはずだ。

そして死に意味を見つけられるのは、

生きる意味を見つけられた人間だけなのかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・

死を恐れているんじゃない。

犬死にを恐れています。

すでに親はなく、兄弟もなく、友もいない…

大海を漂う木の葉のように名もなく、何者でもない…

俺は俺だ。

誰からも強制されず、自らの意志で戦うのだ。

誰の為でもない。

俺の為に俺は戦う…

これは俺が俺になるための戦いだ。

早く出撃させてくれ。

心が焼き付きそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・

「この兵器で貴様達を死なせることに

本当に意味はあるのか?」

「たとえどんな死に方であろうと、

自分の死に意味が持てるかどうかは個人の問題に過ぎません。

ここで命を燃やします」

「何のために?」

「俺自身の人生を俺のものにするためです」

・・・・・・・・・・・・・・・

主人公の渡辺。

まだ10代の若者が直面する生と死の意味。

回天特攻隊員達が遺した遺書の中に

渡辺の遺書もあります。

しかし渡辺の遺書は艦長に宛てたものでした。

「本土基地隊の皆様に伝えて下さい。

基地隊の皆様、

どうか生きて帰った者を温かく迎えてやってください…

涙を呑んで帰るのです…

どうか温かく迎えてやってください。

先に逝く私には、

このことだけが、ただ一つの心配事なのです。」

・・・・・・・・・・・・・・・

1〜9巻までの表紙の絵の渡辺の変遷は、

最後の最後に分かります…

生きて生還した艦長が

渡辺の遺した自分を描いたスケッチブックを

一ページ一ページめくりながら渡辺への思いを語ります…

そして…

この漫画の最後のページに

作者佐藤秀峰さんの一番言いたかった言葉が

大きく描かれています。

圧倒的な画力でリアルに描かれた特攻の島。

普段漫画は読みませんが、

この特攻の島だけは新刊を待ちわびました。



いつもありがとうございます
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宅飲み兼お祝い会   2018.7.3(火)

昨夜はお客様をお迎えして

自宅で食事会兼飲み会兼お祝い会をしました。

201807031.jpg
皆んなのリクエストにより上寿司にしました(^^)

奮発~!(割り勘ですけど)(^^)


201807034 (1)
好きなネタばかりで大満足でした!



カンパ~イ!
201807034 (2)
暑い一日でしたのでビールが美味しかったです。

ワタクシも一杯だけビール飲みました。


お祝いも兼ねたので花束贈呈!
20180703-4.jpg




ワタクシからはコーヒーカップセットをプレゼント。
201807035.png



食後はケーキも食べたのですが、

こんだけ食べてケーキまで食べれたんですからねぇ。

恐ろしや別腹(笑)

夜も暑かったですが

ワイワイガヤガヤと楽しいしひと時でした(^^)



いつもありがとうございます

澤田 瞳子・編 「大江戸猫三昧」

無題
「大工と猫」

江戸時代のお話です。

近所でも評判の腕の良い大工の安五郎。

長屋の住人の為に棚ややぶれ戸の修理してくれました。

「仕事じゃないんで。近所に住んでいるんですから」と

手間賃をもらう事はしませんでした。

安五郎は子供達にも玩具を作ってあげました。

その玩具は手の平に乗る程の木彫りの猫でした。

安五郎には忘れられない猫がいました。

昔飼っていたゴンという不細工で無愛想な野良猫です。

ある雨の日。安五郎の家の土間に逃げ込んで来たゴン。

ずぶ濡れで、犬に咬まれたのか傷だらけ血だらけでした。

安五郎が近寄るとしゅうしゅうと言って毛をさか立てますが、

寒さでガタガタ震えていました。

餌も食べず一晩警戒していたゴンでしたが、

安五郎が翌日眼を覚ますと布団の中で丸まっていました。

その日からゴンは居候になりました。

安五郎は独り身。

田舎から大工の見習いに江戸に出て来ましたが、

腕の良さが災いし、うぬぼれて

親方や兄弟子たちとの折り合いが悪く、

あちこち渡り大工をしながら気楽に暮らしていました。

女房ももらいましたが

苦労ばかりかけた女房は二、三日寝込んで

そのまま死んでしまい、

大事にしてやれなかった後悔ばかりで

以後独り身を通していました。

ゴンが迷い込んだ時、

安五郎はふと「こいつもひとりぽっちで、いやがられながら、

あちこち居候をして生きているんだ」と思い、

この汚い猫が愛おしくなりました。

ゴンと暮らすようになった安五郎は

生きる張り合いが出来ました。

朝仕事へ出掛ける時には昼飯を作って置いてきて、

帰りには魚屋に寄って、

小魚のお土産を買って帰りました。

ゴンが来てからと言うもの、

仕事場でもケンカをする事もなくなり

穏やかな毎日を送るようになりました。

そんなある日、

安五郎は重い眼の病気にかかってしまい、

医者からはいずれ全く見えなくなるだろうと言われました。

安五郎は「もう大工の安五郎は死んだ。

もう終わりだ」と深い悲しみを感じたその時、

ふとゴンのことが浮かびました。

「もうあいつに魚を買ってやることができない・・・」

安五郎はゴンに言います。

「かんべんしてくれ、ゴン。

これまでおめえに飯を食わして来たが、

もうだめかもしれねえ。

おれの目はもうすぐつぶれてしまうそうだ。

そうしたら働くことができねぇ。

おめえに食わしてやることができない。

悪いがどっかに行って、

別の飼い主をみつけてくれ・・・」

その晩、安五郎が寝ていると

目にやさしい手の感触がありました。

ふと目をさますと、

ひんやりしたものが目に当てられています。

ゴンでした。

ゴンが安五郎の目をザラザラした舌でなめていました。

いつまでも、いつまでもなめつづけます。

一晩中、ゴンは安五郎の目をなめつづけました。

朝になり昼になり晩になり、

いく日もの夜が過ぎてもゴンはなめつづけました。

目が痺れ鈍い痛みが来て気が遠くなりかけた時、

目の中でなにかがはじけたように、

さまざまな色の火花が散りました。

どろどろしたものが流れだし、

ゴンのザラザラした舌がそれをぬぐっていきます。

左目の膜がはがれたような気がして、

明るい光が見えました。

左目が治ったのです。

ゴンが治してくれたのでした。

右目はたすかりませんでした。

でも片方が見えるようになったので、

また大工の仕事ができるようになりました。

その後、

ゴンはある日ふと出て行ってしまい

戻ってきませんでした。

出て行く晩、飯を食ってから、

ゴンが外に出たそうな様子なので、

戸をあけてやりました。

ちらりとこちらをふりかえった顏を見て、

安五郎は息がとまりました。

いつの間にかゴンの左目がつぶれて、

片目になっていたのです。

「ゴン!」と叫びましたが、

すっと闇に見えなくなりました。

それっきりでした。

ゴンは自分の目を安五郎にくれて、

いなくなったのです。

それから歳を取った安五郎は、

ある日、卒中で亡くなりました。

安五郎の前には

彫り上がったばかりの木の猫が置かれていました。

ゴンにそっくりの見事な木彫りの猫でした・・・。



いつもありがとうございます
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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