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藤沢 周平  「驟りあめ (はしりあめ)」

藤沢周平

「驟りあめ (はしりあめ)」

20190627はしりあめ

10編の江戸の町で懸命に生きる人々の物語。

「捨てた女」と言う物語が、

結末は違いますが、

フェデリコ・フェリーニ監督の

「道」と言う映画を思い出しました。

何をやってものろまで

生きる術の下手な女を捨てた男が、

人を刺して遠島の刑になり、

10年後戻って来ましたが、

すでに女はいませんでした。

一人でどうやって暮らしているのか…

男はこれから先の自分の身の振り方よりも、

女を探すことが自分にとっての

たった一つの望みとなっていました…

・・・・・・・・・・・・・・・・

表題の「驟り雨」は、

一人の盗人が軒下に潜んで雨宿り中に、

病い持ちの母親と幼い娘と出会い、

自分の人生が変わると言う物語です。

・・・・・・・・・・・・・・・

「遅い幸せ」は、

どうしようもないやさぐれだ弟の為に、

嫁ぎ先から離縁し出戻った姉が、

前科持ちの桶職人から救われる物語。

弟が博打場からの借金を返す為に

姉が身を売るよう脅される所を

前科持ちの桶職人が救います。

どんな前科だったのか、

博打場の親分に仁義を切る啖呵により、

姉は救われます。

・・・・・・・・・・・・・・・

貧しいながらも、

後悔と諦めのままで終わらない

救われる物語でした。



いつもありがとうございます
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藤沢 周平  「時雨のあと」

藤沢周平

「時雨のあと」

201906時雨のあと

1.雪明かり

2.闇の顔

3.時雨のあと

4.意気地なし

5.秘密

6.果し合い

7.鱗雲

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「果し合い」は、

仲代達矢さんで映像化されていましたね。

年老いた部屋住みの厄介者大叔父(仲代達矢)の

身の回りの世話をしてくれる優しい姪の美也の為に、

切腹覚悟の一世一代の果し合いに向かうお話。

後悔ばかりだった不遇の自分の人生の最後を、

姪と想いを寄せ合う下級武士の為に

行動を起こす潔い武士の姿を描いています。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「雪明かり」は

山田洋次監督の「隠し剣鬼の爪」の元になっています。

父の後妻の連れ子由乃と

養子に出された血の繋がりのない兄の絆の物語。

嫁に行った由乃ですが、

婚家でのあまりに惨めな扱いの事実を知った兄が、

婚家から無理やり背負って

由乃を救い出すシーンが泣けます。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「時雨のあと」は、

兄を信じ切っている妹の姿が本当に泣けます。

仕事中の怪我により

兄は日雇いの苦しい暮らしをしており、

だんだんと憂さ晴らしのために

博打にのめり込みます。

妹は兄が怪我で仕事がうまく行かない事で

自ら身を売って兄を助けます。

博打に使う為のお金をせびりに来ても、

妹は兄が飾り職人としてお金が必要なのだと

借金してまで兄に渡します。

そんな姿を日々見ていた博打場の頭に

きつく諭され妹の為に心を入れ替える兄。

頭に諭される中で、

兄は小さい頃を思い出します。

両親に死なれ、兄妹が親戚に預けられた時、

兄が親戚に叱られ、

晩飯抜きだといわれ泣いていた時に、

妹が兄に寄り添います。

親戚は妹を呼びに来て飯を食えと言いますが、

妹は頭を振って兄から離れません。

そして

「兄ちゃんが食べないから、

あたいも食べない」と

兄の肩につかまっていた事を思い出し、

涙をこぼし、いままで妹を騙していたことを

後悔するのでした。

「時雨」って、涙ぐむとか、

涙を落とす事という意味もあるんですねぇ。

兄の涙のあとは、

妹のために向かう事を意味しているのでしょうか…

とても素敵な物語でした。

・・・・・・・・・・・・・・・

「意気地なし」も良かったなぁ。

女房に死なれ、乳飲み子を抱えながら

情けなく背中を丸めるだけの伊作と

赤ん坊の世話をする同じ長屋に住むおてつの物語。

男手一つで乳飲み子を育てることは

並大抵ではありません。

仕事をしながら乳や夜泣き、洗濯に飯…

途方に暮れ、

赤ん坊と心中しようとする伊作を

おてつが叱り飛ばします。

そして・・・

伊作に向かって言うおてつのセリフが、

二人の未来と赤ん坊を救う事になります。

暗いばかりではない

慎ましくも穏やかで幸せを思わせる物語に

ほろっとしました。



いつもありがとうございます

藤沢 周平  「日暮れ竹河岸」

藤沢周平

「日暮れ竹河岸」

再読。

201906藤沢周平

安藤広重の浮世絵を借景にした

数ページの短い19の物語。

男と女、親と子、夫婦、友と友、

そして一人の男、一人の女…

それぞれの悲哀を

目の前の浮世絵を眺めるが如く描いています。

悲しみ、切なさ、孤独な「思い」や「想い」を、

美しい風景描写で淡く優しく彩っています。

中には、寄り添う人への有難さと

前向きさも描いている物語もあり

(桐畑に雨のふる日)

読み手はフワッと心が落ち着きます。

藤沢周平さんの描写の細やかさと美しさに、

ストーリーだけではない、

文章表現に読後静かな感動を味わえました。



いつもありがとうございます

畠山 健二  「本所おけら長屋」11

畠山健二

「本所おけら長屋」11

201906おけら12

1.こまいぬ

2.といちて

3.ぬけがら

4.えんがわ

5.らくがき

・・・・・・・・・・・・・・・

「こまいぬ」は、親子の断絶を

松吉の活躍により、ま〜るくおさめます。

・・・・・・・・・・・・・・・

「といちて」は十手を勝手に細工して

自称岡っ引きになる弥太郎の騒動を描いています。

ミーハー弥太郎を懲らしめるおけら長屋の面々に

今度こそ弥太郎は、目を開くと良いのですが…(笑)

・・・・・・・・・・・・・・・

「ぬけがら」は、

後家のお染さんの辛かった過去のお話。

火事で両親を亡くし

叔母さんと縫い物の仕事をしながら暮らすお染が、

ほのかに想いを寄せていた若旦那に見初められ、

お店の嫁として幸せに暮らします。

しかし数年後、

商売がうまくいかず破産し

義父母は身投げ、

夫もお染と無理やり離縁したのちに身投げします。

それからのお染は、

ぬけがらとなり、身も心も荒んだ暮らしをします。

そんなぬけがらの時に、

盗賊の頭に惚れ込まれ、

無理やり妾にさせられます。

あまりに悪どい盗みをする頭達に、

お染自身もお咎めを受ける覚悟で

奉行所に密告します。

盗賊全員を捕縛できたことで、

お染はお咎めを受けず、

おけら長屋にて名前を変え、

ひっそりと暮らすことになり現在に至ります。

お染はおけら長屋で暮らす事で

今までの自分から殻を抜けだし、

長屋の面々と穏やかな幸せを噛み締めるのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・

「えんがわ」と「らくごき」は、

繋がったお話なのですが、

八五郎が江戸っ子らしい男気で、

親に見捨てられた小さな男の子を救うお話です。

八五郎が五歳の多吉に向かって言うセリフが泣けます。

叱りつけるのではない、

説教垂れるのではない、

五歳の子供にケジメを付けさせると言う八五郎は、

親として、男として最高です。

今回も男気ばかりで単純な八五郎を

しっかり支える万松は、

いつにない探索能力で輝いています。



いつもありがとうございます

畠山 健二 「本所おけら長屋」⑩

畠山健二

「本所おけら長屋」⑩

201906おけら10

1.さかいめ

2.あかぎれ

3.あおおに

4.おくりび

・・・・・・・・・・・・・・・・

「あおおに」が特に好きです。

おけら長屋に住む隠居には、

夫婦仲が悪い息子夫婦と、

喘息持ちの体の弱い孫と

息子の前妻の孫がいます。

息子の前妻の孫は、

愛情を受けられずにいましたが、

病弱の弟が大好きで、

弟の為に一生懸命看病します。

ある日、

引きこもりの青年と知り合うお兄ちゃん。

青年はおとぎ話を作っては

1日を過ごしていました。

お兄ちゃんは、

青年の作る「あおおに」というおとぎ話を、

病床の弟に話して聞かせます。

弟はお兄ちゃんの続きのお話を

楽しみにしていましたが、

いつも喧嘩ばかりする両親の姿に、

自分が病弱で困らせているから

仲が悪いのだと思ってしまいます。

その日から弟は、

食べ物を食べずに死ぬ覚悟をします。

お兄ちゃんは、

青年が作ったおとぎ話の中に、

ある神社の祠に願い事を書いた石を乗せ、

欲のない思いを神様にお願いすると

叶うとのお話を知り、

青年とその遠くの神社に向かいます。

願い事は一つ

「弟の病気が良くなりますように」

女医師のお満が、

兄弟の思いも分からず、

いつも喧嘩ばかりする夫婦に向かって、

万松よろしく啖呵を切っての説教をします。

息子夫婦を甘やかせた隠居に対しても、

オロオロして尻拭いばかりする番頭さんにも

責任があると叱ります。

お満の叫ぶような説教は、

隠居も息子夫婦にも響きます。

両手をついて詫びる息子夫婦…

夜遅くなってからやっと帰ってきた

お兄ちゃんと青年。

今まで愛情を示さなかった息子夫婦二人は、

お兄ちゃんを抱きしめ

無事に帰って来てくれたことを喜びます。

弟は、体だけではなく

心の病も癒され快方に向かいます。

そして、今まで引きこもっていた青年は、

自らがお兄ちゃんの為に行動を起こした事で、

自分の殻を開けることが出来ました。

弟の為に自分の寂しい立場を我慢して

一生懸命動くお兄ちゃんを通して

青年が救われるという

ご縁の有難さを描いています。

お満のこれでもかっていう程の

啖呵が気持ちいいです!(^^)

何と今回は、

あの万松が一切出て来ません。

万松に負けず劣らずのお満の活躍物語でした(^^)



いつもありがとうございます

畠山 健二 「本所おけら長屋」 ⑨

畠山 健二
 「本所おけら長屋」 ⑨

前回投稿した記事でくわしく書いていたものに

加筆修正(笑)

キャプチャ
1.まいわし
2.おてだま
3.すがたみ
4.かんざし
5.うらかた
・・・・・・・・・・・・・・・

「おてだま」
「かんざし」
「うらかた」が繋がっているお話でした。

・・・・・・・・・・・・・・

「まいわし」

本来の武士のありかたを描いています。

藩主は面目を守るのではなく家臣を守り、

民の幸せを守るのが第一である。

・・・・・・・・・・・・・・・

「おてだま」

謎の女「お浅」がおけら長屋に引っ越してきます。

お浅は言葉巧みに小金のある大家と

隠居与兵衛から寸借詐欺をし姿を消します。

お浅は本当に人を騙す性悪女だったのか…?

・・・・・・・・・・・・・・・

「すがたみ」

花魁の姿月にのめり込むお満の兄の

薬酒問屋若旦那の目を覚まさせようと万松が奔走。

花魁はあと二年で年季が開ける。

金持ち旦那達の身請けを望まず、

想いを寄せる相手と一緒になりたいとの

夢を持っていた花魁。

その想い人は

花魁の髪を整えてくれる髪結い清吉。

清吉と花魁は幼な友達でした…

花魁と髪結いは決して惚れ合う事は許されません。

二人は言葉を発することもなく、

姿見を通して見つめ合い、

心を通わせていたのです。

年季が開けるあと二年の我慢…

しかし…

ある日花魁道中の最中に、

花魁にのめり込んで身代を潰した男が

花魁を刺そうとします。

花魁を庇い自らが刺されてしまった清吉…

清吉と花魁の悲しい物語でした…

・・・・・・・・・・・・・・・

「かんざし」

おけら長屋から嫁に出た八五郎の娘お糸。

亭主は大工の棟梁文七。

金物問屋からの大仕事を受けるが、

出来上がりに難癖をつけられお金を払ってくれない。

このままでは仕入先や職人たちへの

手間賃を払えず暮らしも危ぶまれる…

お糸は亭主を励まし支える覚悟をします。

この続きが、次の「うらかた」へ繋がります。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「うらかた」

おけら長屋から寸借詐欺をして姿を消したお浅が、

お金を返しに現れ、自分の今までの事を話します。

お浅とお糸の亭主文七に

共通の裏切られた相手がいました。

タチの悪い金物問屋です。

そこでおけら長屋の万松、鉄斎、お染達が

金物問屋の悪事を暴くため奔走します。

後に晴れて解決しますが、

決して表に出さずに本人たちへも告げることはありません。

ひたすら「うらかた」に徹して、

「お天道様に恥じないことをしていれば、なんとかなる!」

を体現させるのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・

相変わらずの江戸っ子ぶりが粋で泣かせます!(^^)



いつもありがとうございます

畠山 健二  「本所おけら長屋」⑥

おけら長屋6

 「2. ゆめとき」 から

・・・・・・・・・・・・・・・・

米屋に奉公している万造の生い立ちのお話。

万造は花見に行ったことが一度もない。

桜を眺めたこともない。

自分が捨て子だったことを思い出すから…

万造は、2歳の時の春の早朝、

ある長屋の井戸の柱に帯ごと結び付けられていました。

書き置きには

「このこ そだててください なまえ ありません」

とあるだけでした。

捨て子はその長屋の住人で面倒を見る慣わしだった為、

万造は五十歳の独り身の源吉が育てることになりました。

こまごました暮らしの面倒は、

長屋のおかみさんたちが見てくれました。

万造が10歳の時、源吉が亡くなってしまいます。

万造は10歳から今の米屋に奉公に出ました。

あれから17年…

万造は、源吉の夢を見ました。

源吉の若い時の夢…

源吉にも女房と娘がいたのです…

悲しい辛い過去の源吉の夢は、

万造にとって現実のことのように感じます。

子を思う親の切なさと、

捨て子として親への思慕を抱えていた万造が、

源吉の夢を通して交差します。

今まで、桜も花見も避けていた万造…

源吉が夢に出て来て、

万造が現在幸せに暮らせている事を教えるのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・

おけら長屋住人の浪人島田鉄斎が万造に言います。

「万造さんは、自分を捨てた親を憎んでいる。

だから花見に行きたくないんだろう。

満開の桜を見たら、

親を憎む気持ちが甦ってしまうからな。

だがな、万造さん。その逆も考えられるぞ。

泣く泣く万造さんを捨てた親は、

年に一度、

自分のことをおもいだしてほしかったのではないかな。

だから桜が満開の日に万造さんを捨てた…

源吉さんは、

万造さんに長屋のみんなと花見に行ってほしかったのさ。

だから夢に出てきて、それを教えてくれたんだ。

そんな源吉さんの思いを

汲み取ってやってもいいんじゃないかな」

・・・・・・・・・・・・・・・

万造が言います。

「おれは、おれを捨てた親に、

礼を言わなきゃいけねえな。

だって、親に捨てられたから、

今、こんなに楽しい花見ができるんだからよ。」

・・・・・・・・・・・・・・

普段のふざけた万造とは違う姿を描いていて、

とても優しい気持ちにさせてくれる読後感でした。



いつもありがとうございます

畠山 健二  「本所おけら長屋」⑥

畠山 健二 「本所おけら長屋」⑥

おけら長屋6

おけら長屋シリーズの中でも特に⑥巻がお気に入りです。

1.しおあじ

2.ゆめとき

3.とうなす

4.やぶへび

5.だきざる

・・・・・・・・・・・・・・・

「1.しおあじ」は、

今で言うところのネグレクトのお話。

後家のお染がまだ15歳の頃に住んでいた長屋でのお話。

同じ長屋に住む又蔵の両親は、

まだ5歳そこらの又蔵の面倒を見ず、

呑んだくれ、荒んだ暮らしをしていました。

又蔵を風呂にも入れず、

食べ物も与えず放ったらかします。

長屋の住人にも嫌われている両親の為、

たった一人ぽっちで

灯りもない殺伐とした貧しい部屋に置かれる又蔵は、

長屋でもいじめられ、

毛嫌いされ、

いつも膝を抱えながら

部屋の隅で空腹に泣いていました。

その又蔵を助けたのは

当時15歳の後家のお染さんでした。

お染の家も貧しいのですが、

自分のご飯を残しておいて、

又蔵の為にお握りにして与えていました。

風呂に行けない又蔵の為、

長屋の人や両親がいない時に、

井戸水で体を洗い、

シラミだらけの頭を丸坊主に剃ってやり、

洗濯をして面倒を見ていました。

又蔵にとってお染は、

たった一人の味方であり救いの神でした。

そんなある日、

長屋で火事が起こり

又蔵の両親が焼け死に、

お染の両親も亡くなってしまいます。

又蔵もお染も火事のどさくさで、

それっきり会うことは出来なくなりました。

又蔵は遠い親戚に貰われ大工として成長し、

今では嫁も赤ん坊もいる一家の主として、

慎ましくも幸せに暮らしていました。

又蔵は、17年後の現在になり

偶然おけら長屋に住むお染と再会します。

小さい時の、あの辛かった日々の中で、

唯一楽しかったお染との触れ合いに感謝するのでした。

お染の優しさがしみじみ描かれる物語にホロっとします。



いつもありがとうございます

畠山 健二  「本所おけら長屋」 ⑤

畠山 健二  「本所おけら長屋」 ⑤

おけら長屋5

1.ねのこく
2.そめさし
3.はるこい
4.まさゆめ
5.わけあり
・・・・・・・・・・・・・・

「はるこい」が、辛く悲しい物語でしたが、

それで終わるのではなく、

冬は必ず春となるを期待できるような

津軽黒石藩の江戸詰め尾形清八郎の

藩主高宗への進言を描いています。

・・・・・・・・・・・・・・・

ある日、

三年前から江戸詰めをしている清八郎は、

津軽の実家で下男として働いていた佐助の娘美里と

吉原で再会します。

美里は清八郎が江戸に立った翌年の凶作により、

吉原に身を売って、

今はお葉と名乗っていました。

お葉は言います。

「みんなが辛い思いをして、悲しい思いをして…、

あたしたちが何か悪いことをしたのでしょうか。

どうすれば、こんな目に遭わずにすんだのでしょうか。

津軽の冬は長くて、厳しいですよね。

凍えそうになり、かじかんだ指先を摩りながら、

じっと我慢します。

我慢していれば必ず春が来るから。

あたしにも春は来るのでしょうか。」

・・・・・・・・・・・・・・・・

清八郎の藩主高宗への進言の言葉。

「そのお葉さんは、気の毒な娘さんだと思います。

仮に、そのお葉さんを

今の身の上から救うことができたとしても、

それはその場しのぎでしかありません。

江戸に売られてきたのは、

お葉さんだけではありませんし、

また凶作となれば、

同じような目に遭う者が出ることになるでしょう。

藩主がすべきことは、

一人の娘を救うことではありません。

政によって、

そのような者を出さない藩の体制を整えることです。

頂から全体を見渡し、

長い目で政を行わなければなりません。」

・・・・・・・・・・・・・・・・

まさに暮らしの礎を固めている

底辺の人々への救いの言葉に感動しました。



いつもありがとうございます

畠山 健二  「本所おけら長屋」 ④

畠山 健二  「本所おけら長屋」 ④

おけら長屋4

1.おいてけ
2.あかいと
3.すりきず
4.よいよい
5.あやかり
・・・・・・・・・・・・・・・

何と言っても「よいよい」が笑い過ぎてお腹が痛くなりました(笑)

容姿端麗、文武両道に秀でている24歳の浪人錦之助。

勘定奉行を務める名家の嫡男にもかかわらず

勘当されてしまい浪人となってしまいます。

勘当の原因は

お酒にだらしない男であったから…

酒乱というような乱暴な酒癖ではなくて、

一口酒が入ると気が緩み、

しまりのない姿になってしまいます。

この錦之助と

思い込みの激しい娘お雅が、

おけら長屋に騒動を持ち込みます。

ひょんなことから

おけら長屋の万造と松吉と知り合った錦之助は、

万松から勧められるままにお酒を飲んでしまいます…

只者ではない酒癖に

流石の万松も逃げるほど…(笑)

ここからの酔っ払った錦之助の行動が笑えて笑えて、

涙流すほどに笑えます(笑)

どんな物語だったかどうでも良い位に、

錦之助の酔っ払った姿でオチになる程でした(^^)

キーワードは…

「阿波でーす!」(笑)

思い出すとまたクスクスが止まりません(笑)



いつもありがとうございます

畠山 健二  「本所おけら長屋」 ②

畠山 健二  「本所おけら長屋」 ②

おけら長屋2

1.だいやく
2.すていし
3.まよいご
4.こくいん
5.あいおい
6.つじぎり
・・・・・・・・・・・・・・・・

「まよいご」が泣けました。

ある日、

おけら長屋の住人「万造」が仕事帰りの途中で

「勘吉」と言う5〜6歳の迷子を保護します。

自身番にも届けて勘吉の親探しをします。

やっと見つかった両親は

勘吉が迷子になったと言うのに

まるで他人のような冷たい扱いをします…

・・・・・・・・・・・・・・・・

勘吉は実は養子でした。

なかなか子供ができない両親が勘吉を貰ったのですが、

4年後子供が生まれ、

それからは勘吉を蔑ろにし、

辛く寂しい日々を送っていました。

万造はあまりに理不尽な勘吉への態度に

長屋に連れて帰り、

住人達と勘吉の世話をすることにしました。

それからの勘吉の生まれ変わったような

ハツラツさが描かれています。

しかし別れの時は来ました…

勘吉の本当の両親が見つかり

万造達とお別れをする事に…

勘吉は元々武士の生まれでした…

万造が勘吉へ本当の両親が見つかった事、

これからの事を

涙をこぼしながら伝えるシーンはもらい泣き…

別れの朝も万造は勘吉を見送らず

仕事へ出かけてしまいます…

勘吉が長屋から両国橋を渡って行く姿を

柳の陰から見送る万造の切なさが沁みる物語でした。



いつもありがとうございます
プロフィール

cn7145

Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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