宮本 輝 「いのちの姿」

宮本さんの自伝的エッセイ集5篇。
1947年生まれですから今年73歳。
とても精力的とお見受けしている宮本さんですが、
40年位パニック障害の持病を抱えながら
暮らしているそうです。
幼少の貧しかった時代。
10歳の時に叔母のアパートに一年間預けられ、
その同じアパートの奇妙な住人達との日常。
阪神淡路大震災の年に
40日間をかけて旅したシルクロード。
両親、義叔父、腹違いの兄、会社の社長…
出会った人それぞれの「いのちの姿」を
物悲しくも尊く静かに語ります。
宮本さんは持病のパニック障害を抱えた事で
「得た宝もの」があると言います。
「他者の痛みが少しはわかるようになったということだけでも
充分ではないだろうか。」
「それからもう一つ、
心の力というもののすごさをわが身で知ったこと」
「さらに、悪いことが起こったり、
うまくいかない時期がつづいても、
それは、思いもかけない良いことが
突如として訪れるために必要な前段階だと
信じられるようになったのだ」
と語っています。
宮本さんは「ひらがな」を多用する事で、
噛み砕いて読み手に分らせてくれていると思いました。
いつもありがとうございます

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