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宇江佐 真理 「ほら吹き茂平」

ほら吹き茂平 (祥伝社文庫)ほら吹き茂平 (祥伝社文庫)
(2013/07/24)
宇江佐 真理

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ほら吹き茂平他5篇の短編集。
茂平シリーズかと思ったら、
別のお話の短編集。

「せっかち丹治」

「律儀な男」

の2篇が面白かったです。

せっかち丹治は、丹治の娘の嫁入り話が柱。
裏店の長屋住まいの娘に
表店の米問屋の若旦那との縁談が持ち込まれ、
人も羨む結婚かと思いきや、
結局、米問屋の舅姑の世話をしてくれる嫁なら
誰でも良いという理由だけで、
縁談が来ます。
高齢で一日中介護しなければならない嫁の事を
結局は女中がわりと思うだけの若旦那一家。

丹治の娘は二人。
長女を嫁に欲しい米問屋一家の若旦那の姉が、
丹治達夫婦が年老いた時の世話は妹にして欲しいと言います。
嫁に行くのではなく、妹に婿を取ってもらわないと、
自分の家が迷惑すると言います。

自分達の事しか考えていない米問屋一家の縁談を断った丹治家。
その後、米問屋に嫁が来たが、10日で逃げられてしまう。
結局、女中を二人雇って親の世話をさせる事になります。

丹治は、女房が自分の親の面倒を見てくれた事を思い出します。
古い長屋から縁あって新築の長屋へ引っ越す事ができる時に、
いままで仲良くすごした古長屋の人達にも声をかけます。
みんなで新しい長屋へ引っ越すことによって、
丹治は女房を寂しくさせないよう配慮したわけです。
それが愚痴一つ言わず面倒をみてくれた女房への
丹治が出来る感謝の形でした。

娘は、丹治の元で働く青年の元へ嫁ぐ決心をします。
自分の身の丈にあった暮らしが、
本当の幸せであると丹治から教えられたわけです。

裏店の娘が表店の女房になる事は
夢のような玉の輿であるのは承知ですが、
慎ましくてもお互いが寄り添って
助け合う夫婦の在り方が一番の幸せなんだと
丹治夫婦から学んだ娘でした。

・・・・・・・・・・・・・・・



おきよは笑って応える。
銀太郎の申し出にすぐに返事はしなかった。
だが、おきは知っていた。
いずれ、弁天長屋で銀太郎と所帯を持つ自分を。
それで、井戸端に集まり、
長屋の女房達と毎日、埒もないおしゃべりをする自分を。
親戚でもきょうだいでもない店子達と毎日顔をつき合わせ、
嬉しい時は一緒に喜び、悲しい時は一緒に涙をこぼすのだ。
それがいい。
それが自分の身の丈に合った倖せだと、
ようやく思えた。
丹治がそれとなく自分に教えてくれたのだ。




いつもありがとうございます。
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生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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