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乙川 優三郎 「霧の橋」

霧の橋 (講談社文庫)霧の橋 (講談社文庫)
(2000/03/15)
乙川 優三郎

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刀を捨て、紅を扱う紅屋(べにや)の主人となった惣兵衛(そうべえ)だったが、
大店(おおだな)の陰謀、
父親の仇(かたき)の出現を契機に武士魂が蘇った。
妻は夫が武士に戻ってしまうのではと不安を感じ、
心のすれ違いに思い悩む。
夫婦の愛のあり方、
感情の機微を叙情豊かに描き、
鮮やかなラストシーンが感動的な傑作長編。

第七回時代小説大賞受賞作品。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ここに父の刀があります」と言った。
「商人のわたくしにはもう用がないものです、
ここへ置いてゆきますので、
父と思い、どうかあなたの側へ置いてあげてください、
そのほうが父も喜ぶでしょう」

そして静かに刀を置くと、これでお別れいたしますと言った。
それでいいと思った。
もう二度と刀を取ることはないだろうと思う一方で、
どうしても捨てられずにいた過去の置き所が
ようやく見つかったような気がしていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・

短編集が多い乙川作品ですが、
こちらは一冊長編です。

とにかくラストの描写が素晴らしいです!
感動的で名文です。
霧と橋にちなんでの夫婦の描写がとても素敵です。
超おすすめ作品です。
この作品は「生きる」の次に読んだ作品ですが、
こちらの作品を読んで以後、
乙川作品は全て読んでいます。
それ位、乙川さんの作品は素晴らしいと思っています。

装丁は日本画家「小村雪岱(こむらせったい)」。
泉鏡花の「愛艸集(あいそうしゅう)」の
見返しに使われたものだそうです。

見返しとは・・・
 表紙と裏表紙の内側の部分に貼られる紙。
中身を保護することと、表紙と中身の接着を補強する意味があます。



いつもありがとうございます。
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生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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