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宇江佐 真理 「雪まろげ・古手屋喜十為事(しごと)覚え」

雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え
(2013/10/22)
宇江佐 真理

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これでまた、一緒にうまい酒が飲める――

心やすらぐ人情捕物帳、第二弾!

浅草・田原町で小さな古着屋を営む喜十。

北町奉行同心の片棒を無理矢理担がされ、

今日もまた、誰かのために東奔西走。

そんな中、店先に捨てられた赤ん坊を女房が引き取ると言い出した。

突然父親に仕立て上げられ、戸惑う喜十だったが――。

店の前に捨てられていた赤ん坊を、

養子にした喜十。

ある日、生き別れになった赤子のきょうだいが突然、姿をあらわした。

北町奉行所隠密廻り同心の上遠野平蔵は

四人の子どもをそのまま引き取れと無茶を言ってくるが…。

心やすらぐ時代連作集。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.落ち葉踏み締める
2.雪まろげ
3.紅唐桟
4.こぎん
5.鬼
6.再びの秋
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.落ち葉踏みしめる


 父親を病で亡くして母親と兄妹6人のその日暮らしの新太一家。

14才の新太が一家の稼ぎ頭としてしじみ採りをして売り歩く日々。

母親は幼い弟や妹にも強制してあさりのむき身の仕事をさせる。

日々の暮らしに嫌気がさした母親は、長女を吉原へ売る。

そればかりか、生まれたばかりの末っ子「捨吉」を

どこかに養子に出すか、捨てて来いと新太に命じる・・・。


ある日、古手屋の喜十の店に立ち寄り、しじみを買ってもらった時に、

「うちは二人暮らしだから・・・」の言葉を聞き、

新太は、ここの家で捨吉を育ててもらおうと心に決め、

夜遅くに捨吉をおくるみと手紙を添えて店先の陰に置いて立ち去る・・・


日々が流れても、新太は捨吉の事が頭から離れない。

元気でやっているか、あの夫婦は捨吉を育ててくれているだろうか・・・

新太は、弟の幸太としじみ売りに古手屋に行くと、

捨吉をおんぶした女房が出てくる。

二人は、ちゃんと捨吉を育ててくれていた・・・

安心したその時に、弟の幸太が「捨・・・」と声をかけてしまう。


喜十は、二人に事情を聞き、今後この店には来ない事。

捨吉とは縁を切ったものとする事を約束させる。

新太は罪悪感を抱えたままでいた・・・

母親は妹の身売りの金で働かず酒ばかり飲むようになっていた・・・。

酔った勢いで新太に捨吉の養子先を問い詰める母親。

あわよくば、養子先から金を都合させようとする母親に、

新太はいままでの思いも重なり、憤り、

母親につかみかかる・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一章目から、せつなくて悲しい物語なんですが、

新太の苦労と弟妹思いが報われるよう期待しながら読みました。

最後の「6.再びの秋」に新太の弟幸太が登場して、

捨吉や妹たちの今後の行方が描かれています。

おそめは捨吉を育てる事によって新たな生きがいを得ます。

捨吉が近所のこまっしゃくれた遊び友達から教えられた

生意気な言葉を発する場面などは、クスクスとなります。

一番苦労して悲しい思いをした新太と対照的に

捨吉はみんなから可愛がられのびのびと育って行きます。

新太は他の弟妹にも強い思いを残します。

その思いが喜十の心を動かし行動します。

出来ることは限られても、助けてくれる人はいるものです。

そんな喜十の日頃の心がけが思わぬ幸運を招きます。

お兄ちゃんである新太の強い思いが喜十に伝わったような、

そんな報われ、泣ける物語でした・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


いつもありがとうございます
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生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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