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大原 久澄 「冨久屋けいあん花暦」

無題

二年前に理由も分からず突然失踪した夫を待ち続けながら

「口入屋」を営んでいる「お勢」。

今で言うところのハローワークの個人経営版ですね。

5話収録の短編集。

それぞれの章は花をモチーフにして語られる物語となっています。

「半夏生(はんげしょう)」「夏椿」「鬼灯(ほおずき)」「夕顔」「蓮華」。

その花の持つ意味合いと話しが繋がっている粋な物語となっています。

それぞれの女達が事情を抱え仕事を求め駆け込んでくる「冨久屋」。

女性ならではの悲しさ・辛さ・せつなさを

女将のお勢は自分の事のように親身に面倒を見ます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夫から謂れなき暴力を受け家臣と共に逃げる妻。「半夏生」

家族を捨て男と逃げた母親に取り残され、

幼い弟と妹、そして病気の父親の為に健気に働く娘が見た

ひと時の儚い夢と再会した母親への思い・・・。「夏椿」

折檻と言う名の虐待を母親から受け続け一人逃げ出した太一を、

夫の親友である同心の高倉から依頼され預かり、

丁稚として育てるお勢の元に太一の母親が現れる・・・

最後に犯す母親の罪に本来の母性が描かれています。「鬼灯(ほおずき)」

幼い頃に両親を亡くした姉妹。

妹の為に女郎屋へ身を売る姉のせつない想い。「夕顔」

貧しい田舎暮らしをしていた母親と幼い息子が見た理不尽な江戸の暮らしぶり。

奉公した先で母親を守る為に放火する幼い息子の母親への願いとは・・・。「蓮華」

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一人一人の女達への生き様に

少しでも光明が灯ればとのお勢の思いが優しく伝わる物語です。



いつもありがとうございます
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生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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