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宇江佐 真理 「口入れ屋おふく 昨日みた夢」

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痛快、江戸のお仕事小説!

亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。
色気より食い気、働きもので気立てのよいおふくは
助っ人女中として奉公先に出向き、
揃いもそろって偏屈な雇い主たちに憤慨したり同情したり。
一筋縄ではいかない人生模様を目の当たりにするうち、
自分も前を見て歩いていこうと心を決める――。
市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。


・・・・・・・・・・・・・・・・

やっぱり宇江佐真理さんは良いですねェ。

流れが良いし淀みない気風の良い口上などはスカっとします(^^)

解説で書かれていましたが、この物語は「江戸の派遣小説」だそうです。

なるほど上手い事言うなぁ~。

仕事斡旋業を営む「きまり屋」。

短期の頼まれ仕事をこなしながら叔父家族・父親と暮らす「おふく」。

この「おふく」がとっても魅力的。

食べる事が大好きで気風が良くて典型的な江戸っ娘。

依頼を受けた家に女中として仕事をこなすのですが、

それぞれの家庭にはそれぞれの問題が・・・。

おふくが何をするという事ではないのですが、

おふくが行く事で救われる人も出て来ます。

7編の中で特に好きな物語りは、

題名にもなっている「昨日みた夢」です。

家族からないがしろにされ、

幼い娘達からも母親ではなく女中として扱われる

武家の若奥さんの「かよ」のお話は、

おふくが助ける事によって本来の幸せを見つける事になります。

おふく自身も離縁した夫との心の澱(おり)を抱えている事で、

かよの気持ちが他人事ではなく理解でき、

「かよ」自身を大切にするよう屈辱の暮らしから救い出します。

「この家を出ましょう。若奥様がいらっしゃらなくても、
この家は回って行くのですよ。
後のことなど、気にする必要はありません」


時代が時代ですので、このように言ってくれる人は稀だったでしょう。

女が一人で生きて行く困難さを百も承知で励ますおふくには、

一生下働きの女中扱いに辛苦する「かよ」に我慢がならなかった。

義母も夫も娘達でさえ「かよ」を家族として扱わない理不尽さを

おふくが成敗する痛快さにむしろホロっとさせられました(^^)

宇江佐真理さんの心根を感じた大好きな作品です!



いつもありがとうございます
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生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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