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安住 洋子 「春告げ坂・小石川診療記」

再読。

無題
貧民の為の診療所である小石川養生所で働く

若き医師・高橋淳之祐の奮闘物語です。

6編の物語。

病気の事ばかりではなく

淳之祐自身のとても切ない生い立ちも描かれています。

医学を勉強しながら診療にもあたり、

寝る間も少ないなか奮闘する姿が清々しく描かれています。

現代の医学とは程遠い治療法に

淳之祐本人も忸怩たる思いで患者と接するわけなんですねぇ。

もっと医学を勉強したいとの強い思いにより

漢学から蘭学への学びを強く決心して

長崎へ行くことにするんです。

小石川養生所には看護中間という働き手がいます。

今で言うところの看護師ですね。

ほとんど男が看護中間となりますが、

この看護中間たちは患者を雑に扱い、

暇さえあれば博打をしてほとんど仕事らしい仕事はしない。

藩から与えられる食材や燃料などを

勝手に横流しして金に換え懐に入れる始末。

どんなに注意しても収まらない。

なぜ看護中間がのさばっているかと言うと、

安い給金で汚い事を24時間体制でやらなければならず、

看護中間のなり手がいない現状であることから、

お役人たちも目をつむるしかないというわけなんですねぇ。

しかしその中でも誠実な看護中間たちはいます。

その看護中間たちとの協力で

助けられる患者や家族がいます。

高橋淳之祐だけの物語ではなく

患者それぞれに視点を置き、

病に向き合う事、看取られる事、

病を克服する事を描いています。

24歳の淳之祐は若者らしい先走りや

感情的な行動を起こす事があります。

その行動により回りを心配させて

ホロっとしたりクスっとしたりするところも、

とても魅力的に描かれています。

養生所で働く伊佐次やお瑛との

これからも続くであろう絆が

読後感宜しく描かれているので、

ぜひ続編を期待したい一冊です。

安住洋子さんは寡作の作家。

作品が少なくて執筆も遅い!

続編出るかなぁ。

出るとしたら蘭学を学びに行った長崎編でしょうねぇ。

期待したい一冊です。



いつもありがとうございます
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生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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