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朝井 まかて 「福袋」

朝井 まかて 

   「福袋」

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8つの短編集。

1.ぞっこん
2.千両役者
3.晴れ湯
4.漠連あやめ
5.福袋
6.暮れ花火
7.後の祭
8.ひってん

・・・・・・・・・・・・・・・

「ぞっこん」と「ひってん」が印象深くて良かったです。

・・・・・・・・・・・・・・・

「ぞっこん」は読み終えたらまた最初から読み返すと意味が分かります。

と言うか、私が読み返して「あ~そういう事か~」となって

更に面白さが分かりました。

「筆」のお話です。

単なる筆ではなくて有名な書家の使い古した筆を、

懇願し続けて貰い受けた書き物師栄次郎の成功話なんですが、

ぞっこん惚れ込んだ使い古しの筆のお蔭で栄次郎は、

貧乏ながらも「遣り甲斐のある仕事」と言う福が訪れます。

また、栄次郎と幼馴染で今は落語家を挫折した喜楽との触れ合いが

ほんわかしました。

その日暮らしの喜楽がお金をせびりに栄次郎宅へ来たり、

栄次郎のもらった仕事賃をネコババして逃げてしまったりと

迷惑ばかりかける喜楽ですが、栄次郎は怒りません。

それは幼い頃一人寂しく長屋で過ごした栄次郎を

いつも笑わせてくれた喜楽への感謝と友情があるからでした。

のちに出世する栄次郎ですが、喜楽への変わらない友情が

読後さわやかになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・

「ひってん」は、「貧乏」と言う意味。

その日暮らしの二人の若者の人生を分ける

「商売」への向き合い方を描いています。

卯吉と兄貴分の寅次。

ある日、売れない櫛100本を只で貰った事で、

卯吉はなぜ売れなかったのかを悩み、

商売に対しての工夫をするようになります。

寅次は、どうせ売れないだろうと品物をぞんざいに扱い、

売れた分だけでその日暮らしを続けます。

商売への向き合い方の違いにより、

卯吉は長屋から出て行き、

以後二度と寅次と会う事はありませんでした…

卯吉の工夫は、

のちに庶民に親しまれるお店を構えるまでになります。

そんなある日、

卯吉は寅次と昔二人で住んだ「ひってん長屋」を訪れますが、

すでに取り壊され住み替えられていました。

あれから寅次は相変わらずその日暮らしをしているのか…

卯吉の現在の成功は、

昔の「ひってん長屋」での貧乏な暮らしのお陰でした。

その日暮らしで貧乏だった寅次との暮らしでしたが、

若かったあの頃の楽しかった思い出を胸に、

卯吉は新たな「ある計画」をするのでした…



ホロっと優しくなる物語でした…






いつもありがとうございます
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Author:cn7145
生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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