星 新一 「妄想銀行」

32の短編SF。
風刺的面白さやうすら寒い恐怖のお話がたくさん。
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印象的だった物語の一つ「半人前」は
ブラックユーモア過ぎて笑えない程。
死神の青年が半人前の死神だったというお話。
目的の人物に憑りついても
何故か死に追いやる事が出来ない「半人前の死神」
憑りつかれたN氏が彼を助けた事から
死目前の事故や恐怖にさらされるが
半人前のお蔭で死ぬことは免れる。
半人前の青年はN氏に迷惑をかけるから
去ろうとするが、
N氏は青年が憑りついているから
死なずにすんでいると感謝し
これからも青年をN氏に憑りつかせて
死から守ってもらうと言うもの。
だが、そのお蔭で
常に死ぬ思いの事故や
体験の恐怖を味わう人生となるというもの・・・
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究極のブラックユーモアが効いた短編集でした。
いつもありがとうございます

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