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藤井 邦夫 「五月雨-知らぬが半兵衛手控帖⑮」


五月雨-知らぬが半兵衛手控帖(15) (双葉文庫)五月雨-知らぬが半兵衛手控帖(15) (双葉文庫)
(2011/08/11)
藤井 邦夫

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4話収録。

1.五月雨(さみだれ)
2.身代わり
3.腐れ縁
4.妻恋坂

・・・・・・・・・・・・・・・

「腐れ縁」


「おかよちゃん、文七は人を殺したんだ。
神妙にお裁きを受けて罪を償わなきゃあならないんだ」

「おかよちゃん、文七は金をせびり、博奕や女遊びに現を抜かしている。
それでも文七を庇うのか・・・」

「腐れ縁なのよ・・・」おかよは言い放った。

「子供の頃からの腐れ縁なのよ。
文七が博奕や女に私のお金を注ぎ込もうが、
どうだっていいのよ。
いろいろあっても、文七には私しかいないし、
私には文七しかいないんです」

「半次さん、私と文七は、お互いに傷つけあって生きていく腐れ縁。
昔の事なんかもう忘れて下さい」

十四、五歳お頃から付き合ったおかよと文七に何があったのかは知らない。
だが、男と女の事だ。
何があってもおかしくないし、何があったのかも分からない。
そこに、他人には分からない男と女の関わりが秘められている。
それが、男と女の腐れ縁と云うものなのかもしれない。
腐れ縁・・・
おかよの言葉は夜の静けさに木霊した。

・・・・・・・・・・・・・・・

今回も半兵衛の粋な裁量が際立ちます。

それぞれが、哀しく切ない事件なので、

心ある半兵衛ならではの事件解決とはいえ、

後味すっきりばかりではない物語もあります。

特に「3.腐れ縁」はやりきれない悲しい物語でした。

このお話は、半次が活躍します。

幼馴染で初恋のおかよと文七の腐れ縁を切らしてやりたく、

半次が奔走しますが、

おかよ自身が文七に刃物で始末することで終わりにします。

半兵衛は、おかよが文七を殺したとなっては、

死人とは言え、おかよも人殺しの咎人(とがにん)として扱われ、

まともに埋葬する事は許されないと言い、

文七は追い詰められて自害し、おかよは悲観して後を追った事にします。

真実を公にする事がすべて良いと限らない。

「世の中には、私たちが知らん顔した方が

良い事もあるさ・・・」と半兵衛はうそぶきます。






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生れも育ちも仙台。外見も性格もとても地味。物があふれているのが苦手。食べ物の好き嫌いほぼ無し。本と猫好き。好きな言葉「喫茶喫飯」。

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